SSブログ

「丹下左膳」(その4) [映画(邦画)]

今回からは、戦後の作品について記していきます。年代順にすると、1952年の阪東妻三郎主演作が先になるのだが、それは単発ということで後に回すことにします。で、今回は1953年と1954年に製作された大映シリーズの3作についてです。

大映シリーズ・第1作「丹下左膳」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の大映作品で、時間は101分、原作は林不忘、監督はマキノ雅弘、脚本は伊藤大輔と柳川眞一の2人、撮影は竹村康和、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子、沢村国太郎、沢村晶子、三田隆、荒木忍、市川小太夫、田中春男、小柴幹治、羅門光三郎、水原洋一、光岡龍三郎、たちである。

江戸・小野塚鉄斎の元にある名刀・乾雲と坤龍。それを刀剣蒐集狂の饗庭主水正が狙っていて、丹下左膳にそれを奪ってくるように命じ、丹下左膳がそれを手に入れようとして、鉄斎を斬って、乾雲を奪うことに成功した丹下左膳だったが、そのばに居合わせた鉄斎の娘・彌生の美しさが忘れられなかった。鉄斎の門下・諏訪栄三郎は、水茶屋のお艶と所帯を持ったが、栄三郎を慕っていた彌生は、坤龍を栄三郎に預けて、栄三郎は乾雲を奪還することを誓う。一方、丹下左膳の世話になっていた旗本・鈴川源十郎は左膳の名を語って栄三郎を襲撃するが、坤龍を手に入れることは出来なかった。で、丹下左膳は坤龍を得るために夜ごと町に出ては出し斬りをして、おびき出そうとするが...

名刀を巡っての争いを描いた物語で、殺陣はなかなか見所のある作品である。

大映シリーズ・第2作「続・丹下左膳」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の大映作品で、時間は89分、原作は林不忘、監督はマキノ雅弘、脚本は伊藤大輔と柳川眞一の2人、撮影は竹村康和、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子、沢村晶子、三田隆、田中春男、市川小太夫、澤村國太郎、南条新太郎、羅門光三郎、葛木香一、水原洋一、光岡龍三郎、原聖四郎、武田竜、浪花千栄子、たちである。

乾雲と坤龍を巡って江戸市中では擾乱状態になり、南町奉行・大岡越前守はこのことに頭を悩ましていた。で、将軍家を動かして饗庭主水正を出府させる。累の及ぶことを怖れた主水正はたん゛さぜんを冷たく追い払い、丹下左膳の暗殺と刀を奪うことを月輪剣団に命じた。これを知った左膳は激怒して、襲ってくる剣士たちを斬り捨てて、姿を隠した。そして乾雲を元の持主に返そうとするが、彌生は行方不明になっていて、彌生を探すことになるが、彌生は大岡越前の所に匿われていて...

物語は前作の続きであり、緊張感のある展開で見せてくれる作品である。

大映シリーズ・第3作「丹下左膳 こけ猿の壺」(1954年)
作品データを記しておくと、1954年の大映作品で、時間は87分、原作は林不忘、監督は三隅研次、脚本は衣笠貞之助、撮影は牧田行正、美術は上里義三、音楽は西梧郎である。そして出演は、大河内伝次郎、高峰三枝子、三田登喜子、坂東好太郎、柳永二郎、杉山昌三九、高堂国典、上田寛、香川良介、蔵方しげる、橘公子、葛木香一、伊達三郎、たちである。

柳生対馬守に日光廟修覆の大任が下り、その費用を捻出するために、巨額の秘宝の隠し場所が示されてある家宝・こけ猿の茶壷を探すことにした柳生家。が、その壷は、対馬守の弟・源三郎の手にあって、江戸に向っていたため、源三郎を追う。一方、この秘密を知った女賊軽業のお島は、その茶壺を盗んで手に入れるも、それを預けた硯売りの少年・チョビ安に奪われてしまう。チョビ安は親を亡くし、丹下左膳と父子になることを誓っていて、茶壺を丹下左膳と共に保管していた。で、こけ猿の壺を巡った争奪戦が起こる...

この作品は1935年の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」のリメイク作品である。また、これまで丹下左膳を数多く演じていた大河内伝次郎の丹下左膳の最後の作品でもあり、三隅研次監督の初監督作でもある。が、殺陣の方に今ひとつ切れ味がなく、オリジナル作品には遠く及ばない凡作になってしまった。やはり、高く評価されている作品のリメイクとなると、今も昔も苦しいという所は変わりませんね...

 

↓今回ピックアップした作品でソフト化されているのは ↓ の1本だけです。

続・丹下左膳

続・丹下左膳

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • メディア: DVD

↓名作のオリジナル版はこちら

丹下左膳餘話 百萬両の壺

丹下左膳餘話 百萬両の壺

  • 出版社/メーカー: Cosmo Contents
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。