ケータイ刑事銭形泪8話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形泪・1st.8話」の「怪奇!よみがえったツタンカーメンのご近所さん! ~ミイラ男の呪い殺人事件」の「裏ネタ編」も今回で4回目になるが、この物語についてはまだ続きます。今回は登場人物の職業に絡むところから、「警備員」について、「古美術商」について、そして「考古学者」についてと「ゴッドハンド」についてです。
尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「警備員」:文字通り、警備を行う人のことを指す。「警備」とは、非常の場合に備えて、注意、警戒してして守ることである。「警護」と同義語であるが、「警備」は場所に対して守ること、「警護」は人に対して守ることのニュアンスが強い。また、広くは「警備をする人」全般を指すが、基本的には民間人であり、警察組織に属する人が警備を行っていても「警備員」とは言わないのが普通である。そのため、警備員には法的な強制力を持っていない。(例えば、窃盗犯を目撃しても、逮捕すること出来ない。→警察に通報して逮捕してもらうことになる。)
法律的に言えば、警備業法に定められている警備業者の従業員の中で、警備業務に従事する人のことである。(警備業者でも、事務処理を行う従業員もいますからね...)
尚、日本語では「ガードマン」とも言うが、これは和製英語であって、英語では「Guard」「Security Guard」「Watch」「Wachman」等と呼ぶ。(後ろ2つになると「夜警」という意味が加わるのが一般的である。)
「古美術商」:美術品を扱う人を「美術商」と言うが、その中でも古い時代の美術品を扱う業者のことを言う。尚、一般的に「古美術」と言うと、数千年前の発掘品というイメージがあるが、広義に言うと、芸術家の新作以外で、他人の所有物になった比較的新しい作品(中古品)も含まれる。
美術にはいろんなジャンルがあるだけに、それを扱う美術商にも専門分野があるが、「古美術商」と言うと、一般的には古代遺跡から発掘されたものを扱うというイメージが強い。
美術商には、扱う美術品の価値を見極める、所謂「目利き」の能力が必要であり、偽造品や模造品であることを見抜く真贋判定能力も必要であるが、「古美術商」になると、それが真作であったとしても、盗掘/盗難されたものでないかの判断や、その古美術品の所有者(保管)履歴などがより重要視されることが多く、これが難しい所である。自分で鑑定できる能力が求められるが、考古学者に鑑定して貰うことも多々ある。(→この物語の事件は、犯人の動機としたら、ある意味ではとてもリアルなものである、ということになる。)
「考古学者」:考古学の研究を行う学者のことである。「考古学」とは、人類が残した遺跡や遺物から、当時の人たちの生活、活動、文化などを研究する学問である。
日本では、歴史学の一分野という認識が高く、遺跡発掘を中心とした学問のように思われているが、アメリカでは歴史学ではなくて人類学の一つという認識が高く、ヨーロッパでは有史以前の先史時代を研究する先史学という認識が高い。
日本では、歴史学という認識があるため、考古学の花形は遺跡発掘と思われている節があるが、考古学は、あくまでも文献や物を通して、当時の人々の生活や文化、歴史的事実を絞殺する学問である。発掘はその研究のための資料を得る/保護するための手段である。
「ゴッドハンド」:文字通り、「神の手」であり、通常の人間の感覚では信じがたい能力を持つ人のことを言う。そのため、色んな世界で「ゴッドハンド」と呼ばれる人がいる。例えば、空手家の大山倍達の異名であり、サッカー・マラドーラの「神の手ゴール」(「神の子」と言われる彼のハンドと絡めた上手い表現です。)、手術の腕が高い医者のこともこう言われる。また、小説、漫画、映画などの中でも登場人物(キャラクター)に、この名前(異名を含む)を持つものが色々と出てきている。
考古学の世界でも、この異名を持った男がいる。(藤村新一)が、これは捏造だったと言うことで、現在では日本考古学会最大のスキャンダルとされている。(これに関しては、この物語よりも「雷・1st.3話」の方がよりネタにしているということになります。→「旧石器捏造事件」)
↓参考まで
環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)
- 作者: 松井 章
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/01
- メディア: 新書
コメント 0