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「丹下左膳」(その6) [映画(邦画)]

今回は東映シリーズの5作品の中から、最初の2本についてです。丹下左膳を演じたのは大友柳太朗であって、1958年から年1本のペースで1962年まで全5作が製作されたシリーズである。

東映シリーズ第1作丹下左膳
作品データを記しておくと、1958年の東映京都の作品で、時間は100分である。原作は林不忘、監督は松田定次、脚本は中山文夫、撮影は川崎新太郎、美術は川島泰三、音楽は深井史郎である。そして出演は、大友柳太朗、月形龍之介、薄田研二、大河内伝次郎、長谷川裕見子、松島トモ子、桜町弘子、喜多川千鶴、山形勲、三島雅夫、左卜全、徳大寺伸、多々良純、沢村宗之助、明石潮、高松錦之助、富田仲次郎、団徳麿、東千代之介、美空ひばり、大川橋蔵、たちである。

本作は、東映スコープ公開一周年記念映画ということで、豪華な顔ぶれが集まった作品であり、東映としても力の入った作品である。

伊賀の国の大名・柳生家には、100万両の秘密の所在を封じ込んだ「こけ猿」という壷があったが、それを知らない当主・対馬守は暴れん坊の弟・源三郎にこの壷を与えて司馬道場に婿入りさせた。が、道場の師範・峰丹波は、これを喜ばなかった。また、スリの与吉は源三郎から「こけ猿」を奪って丹波に小判50枚で売りつけようとしたが、これを奪ったのが丹下左膳だった。その頃柳生家では「こけ猿」の秘密を知って大騒ぎになり、壷を取り返そうと動き出す。が、左膳と源三郎は司馬道場の乗取りを図ろうという丹波の策略を知り、左膳は壷を源三郎に渡して解決を図ろうとしたものの、大岡越前守の隠密が壺をニセモノにすり替えていた。ということで、「こけ猿」を巡って、左膳、柳生家、大岡越前守が三つ巴の争いを繰り広げることになり...

争奪戦を繰り広げると言うことで、なかなか楽しめる作品である。ただ、これまでに丹下左膳ほ数多く演じた大河内伝次郎が客演しているが、丹下左膳は彼に演じて貰いたかったと思う所である。

東映シリーズ第2作丹下左膳 怒涛篇
作品データを記しておくと、1959年の東映京都の作品で、時間は81分である。原作は林不忘、監督は松田定次、脚本は中山文夫、撮影は吉田貞次、美術は川島泰三、音楽は深井史郎である。そして出演は、大友柳太朗、大川橋蔵、長谷川裕見子、里見浩太郎、月形龍之介、大河内伝次郎、山形勲、大川恵子、桜町弘子、松島トモ子、たちである。

海賊が隠した財宝のありかを示す金竜と銀竜の香炉。そのことを知らない将軍は金竜を柳生家に下す。大岡越前守たちがその秘密を知り、香炉を奪おうと動き出す。これに豊臣の残党・鈴川源十郎や長崎屋重兵衛の一味が加わり、丹下左膳をも巻き込んだ争奪戦が始まる。左膳は香炉が100両の価値があると知ると長屋の人々のために金に換えようするが、お藤たちを掠われ、香炉も奪われる。で、奪った一味を追っていくが...

基本的な展開は前作と同じであるが、やはり大河内伝次郎が客演しているだけに、どこか違和感がある大友柳太朗の丹下左膳と感じる作品である。

大友柳太朗の丹下左膳は豪快で明るいキャラであり、これまでの丹下左膳のイメージとは全く違うものになっている。これが許せるか許せないかで本シリーズを好きになれるかどうかが決まることになる。悪いとは思わないが、大河内伝次郎が出演(丹下左膳ではない)していると、違和感を感じることは否定できない。とはいっても、二者ではなく、三者が入り乱れての争奪戦という展開は面白い所である。まあ、この当は娯楽作品を多く手掛けている東映らしいところでもありますね。

 

↓いずれもがビデオです。

丹下左膳~決定版~

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丹下左膳~怒濤篇~

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↓原作小説
丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)

丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/05/13
  • メディア: 文庫
丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 文庫
丹下左膳〈3〉 (光文社時代小説文庫)

丹下左膳〈3〉 (光文社時代小説文庫)

  • 作者: 林 不忘
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 文庫
↓参考まで
資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

  • 作者: 田中 照禾
  • 出版社/メーカー: 川喜多コーポレーション
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

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