ゴルゴ13#28 [アニメ]
今回の物語は、ゴルゴのプロとしての一面を描いた物語であるが、派手な所はない人間ドラマでした。ゴルゴと運命的な出会いをした女・セシリアの悲劇の物語と言っても良いように、ゴルゴを脇に追いやったような人間ドラマであるが、ゴルゴのプロとしてのキャラクターを描くのには悪くない作品である。ただ、この物語は、原作も本当の初期のものであるだけに、3クール目になって登場させるような物語ではない。(例え、原作の全てをアニメ化するとしても、更にアニメのオリジナルストーリーまで作って、数百話までいったとしても、ここでの登場は遅すぎる。)せいぜい、第4話まで(=放送開始後一ヶ月以内)に登場させるべきだったでしょう...
ある雨の夜、一人でバーにいたゴルゴはセシリアという女と出会う。彼女は譜としたことから夫を殺してしまい(どう見ても、事故だったという形で処理出来ると思いますけど...)、その傷を持っていた。翌日、ホテルから空港に向かおうとするセシリアだったが、ストライキでタクシーが来ないということで、ホテルの車で空港に送ってもらうことになるが、そこでゴルゴと一緒になる。雨の中、途中で「歩いてみたくなった」と言うセシリアは車から降り、一人になるが、やはり夫殺しが彼女の心に重くのしかかっていた。
セシリアはノルウェー行きの飛行機に乗り、故郷に向かったが、そこでまたもゴルゴと鉢合わせになる。離陸した飛行機はトラブル発生によって、胴体着陸を試みることになる。客室では乗客たちが狼狽えるようになるが、セシリアの心はゴルゴに見透かれていて、ゴルゴに惹かれる。胴体着陸は無事に成功、セシリアも生きたいと感じ、ゴルゴに身を委ねる。客室では乗客たちが歓喜の声を上げる中、セシリアとゴルゴはキスをした。そしてその夜、2人は一夜を共にして、男と女の関係を持った。(一応、深夜番組ですし...)翌朝、ゴルゴは仕事に向かい、ある古城からターゲットを狙撃した。(これに関してはどういう人物なのか、その拝啓は全く語られていない。)仕事を終えて古城を出ようとしたゴルゴ(まだライフルを手に持っている。)は途中でセシリアの姿を目にした。「ついてきてしまったの...」と言うセシリア。だが「もういいの」と言って全てを悟り、目を閉じる。ゴルゴはそんなセシリアを撃つと、薬莢を拾って古城を後にした。
例え関係を持った女でも、仕事を見られたからには放置することは出来ず、セシリアを殺したゴルゴ。プロとしての一面をじっくり描いているということで、ゴルゴのキャラクターがはっきり分かる。が、ターゲットを狙撃した後、どうしてライフルを片手にしたままでいたのか、という疑問もありました。(狙撃をしようとした時に視線でも感じていたのなら納得できるが、そういう描写はなかったし...)→この点では初期作品である原作では良いのだが、3クール目になって取り上げるような物語ではない。
この物語自体は悪くないのだが、これが28話で登場するというのでは、余りにも遅すぎる。この物語のようにゴルゴのプロとしてのキャラクターをじっくりと描いている物語は、第1話とは言わないが、本当に初期に入れるべきでしょう。ということで、シリーズ構成に疑問を持ちました。
↓この物語は「SPコミック:2巻」に収録されています。
- 作者: さいとう たかを
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 1997/04
- メディア: コミック
↓「ノルウェー」ということで...
ノルウェー フィヨルドの旅 (AROUND THE WORLD LIBRARY―気球の本)
- 作者: 村上 よしゆき
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
A29 地球の歩き方 北欧 2008~2009 (地球の歩き方 A 29)
- 作者: 地球の歩き方編集室
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/05/31
- メディア: 単行本
コメント 0