ゴルゴ13#30 [アニメ]
今回の物語は、ゴルゴの名を騙る殺し屋の野望を描いた物語ということで、よくある「ニセモノ」が登場する物語でした。(それにしても、デューク東鄕・ゴルゴ13の出番が少なかったですね。)
あるホテルで、ナイフによってターゲットの始末をした殺し屋・ベン。パートナーで恋人のナタリーと共に逃亡し、依頼者からゴルゴ13として報酬の残金を受け取る。ベンはゴルゴ13の名前を語って殺しを行っていた。一方、ナタリーは過去に恋人でパートナーだった男がゴルゴに始末されていた。ナタリーは潮時と言うが、ベンはゴルゴのニセモノに嫌気が差していて、ゴルゴを倒し、名前を挙げることを考えていた。2人はウォーレン・コールという闇世界の大物の殺害を受けたことを掴み、ゴルゴがウォーレンの船に現れると読んで、その船の船員として潜り込んだ。で、ナタリーの考えた通り、ゴルゴが客として現れた。ベンはゴルゴを試そうと接触を図ったが、その一瞬でベンはゴルゴの凄さを思い知らされた。一瞬で周囲の状況を把握し、最良の行動に出て、誰にも注目されずにその場から去っていったと感じ取ったのだった。
船ではディナーショーが行われていて、ゴルゴがウォーレンを狙うのはこの時しかないと読んだベンは、ウォーレンを狙うゴルゴを倒そうとする。で、ゴルゴがライフルを手に潜んでいることを確認した。次のショーで証明が舞台だけになる時、これをゴルゴを仕留める瞬間としてベンはナイフを手に、その時を待つ。そして待っていた瞬間が来た時、ナイフを投げた。が、ゴルゴはそれを躱した。ベンは再びナイフを投げてゴルゴを仕留めようとするが、ゴルゴはベンに気づき、引き金を引き、ベンの眉間に命中、ナイフを躱した。ベンは舞台に倒れ、ショーは止る。次の瞬間、ゴルゴはウォーレンを仕留めた。ナタリーには、ベンが殺されると分かっていた。
サスペンスという緊張感はあるのだが、ベンの腕前の描写が最初の1つだけでは、単に高い野心を持っているだけで腕が伴っていない殺し屋にしか感じられず、今ひとつ、緊張感が足りない所であった。ナタリーは、ゴルゴの腕を知っているが、もう少し揺れる気持ちが描けていたら、更に良くなったのに、これも中途半端になっていたのが残念でした。
ゴルゴのライフル(銃)に対して、ナイフという音のしない武器の対決というのは、両雄が相対することになると、質の高い物語を生み出すことになるのだが、時間的制約もあって、ナイフ使いのキャラを十分に描き切れていなかったため、ゴルゴの一瞬の判断力の凄さを知らしめるだけという平凡な物語に収まってしまった。
尚、音のしない武器ということでは、ナイフの他にも弓矢(ボーガンを含む)などもあるが、ナイフとなると離れた距離から投げるだけでなく、接近戦でも使うことの出来る武器でもあるだけに、あまりにももったいない使い方で簡単に片付けられてしまったのは残念でした。今回は凡作に終わってしまいました...
↓この物語は「SPコミック6巻」に収録されています。
「ナイフ投げ」の名人と言うことで...
↓参考まで
KNiFE (ナイフ) マガジン 2008年 12月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: ワールドフォトプレス
- 発売日: 2008/10/30
- メディア: 雑誌
コメント 0