ケータイ刑事銭形海32話(3rd.6話)[裏ネタ編] [ケータイ刑事]
今回の「銭形海」の裏ネタ編は、通算では32話となる3rd.6話の「時を超えた指紋!? ~タイムスリップ殺人事件」についてです。今回は「時効」について、「タイムスリップ」について、そして被害者が高利貸しだったということで「高利貸し」について記すことにする。
尚、BS-iの本放送の時に記した長文&ネタバレあり版は「ここをクリック」してご覧下さい。(放送直後に記した感想版もここを経由してください。)
「時効」:法律用語であり、事件発生から一定の時間が経過したことを要因として、効力や拘束力が失われることを言う。
難しく記すと以上のようになるが、簡単に言うと、ある一定の時間が経過すると、刑事事件の場合は罪に問えなくなること、民事事件であれば主張するよりどころとなる権利が消滅することである。つまり、前者であれば、自首しても逮捕されず、罪は問えなくなり、後者だと主張できなくなったり、拾得物だと所有権を失うことになる。
これは、一定時間が経過したことにより、立証することが非常に困難になるため、時間的な制限を設けることで、立証困難な事件に幕を引くことにするということである。また、権利があるのに一定期間にわたってそれを維持しようとしたり、行使しようとしなかったのなら、それを保護する必要は無い、という考えもある。
しかし、一部では財産権を奪うことになるので、時効制度は違憲ではないか、という主張もあるのも事実である。
また、刑事事件では、犯罪者が何事もなかったかのように扱われることになり、被害者(遺族を含む)側の心情を無視することにもなるため、これも問題点とされている。
時効成立までの「一定時間」というのは、刑事訴訟法や民事訴訟法などでその時間が規定されている。刑事訴訟法を例にすると、「死刑に当たる罪については25年」、「無期の懲役または禁固に当たる罪については15年」、などのように定められている。罪状ではなく、その罪の刑罰に応じて定められているのが特徴である。
尚、刑事ドラマで殺人罪の時効が15年として出てくるが、これは2004年12月31日以前のことであり、2005年1月1日からは改正されてそれぞれ延長された。よって、現在だと、殺人罪の時効は25年である。
また、民事でも同様に、それぞれ時効が成立するまでの器官が定められていて、一例を挙げると、再見は10年、それ以外の財産権は20年というのが基本である。また、これよりも短く、6ヶ月、1年、2年、3年、5年で時効となる「短期消滅時効」というものもある。
落とし物についても時効があり、これは遺失物法で定められている。これも「時効」の一つである。現在の遺失物法では、基本的に3ヶ月、埋蔵物の場合は6ヶ月であり、遺失物の公告から3ヶ月(埋蔵物は6ヶ月)が経過しても所有者が判明しなかった場合は、拾得者のものとなる。(以前は遺失物は6ヶ月であったが、2006年に法改正が行われて、3ヶ月に短縮された。)
ところで、日本では「時効」が定められているが、国によっては「時効」が存在しない国や、殺人罪のみ時効が存在しない(他の刑事罰に対しては時効がある)国もある。
詳しい規定は法律で定められているので、興味がある方はそういう文献をご覧になって下さい。
「タイムスリップ」:英単語を使うと「TIME SLIP」となるが、和製英語であるため、これでは意味が通じない。英語では「Travelling Through Time」と言う。SF等に多く登場するものであり、現実の時間を超えて、過去や未来に瞬時に移動することである。
現実世界には登場していないが、SFの世界では、タイムマシンを使った時間旅行というものが多々ある。タイムマシンによって時間移動した場合は「タイムスリップ」とは言わず、「タイムトラベル」と言われる。「タイムスリップ」は主に何らかの外的要因によって引き起こされた結果、時間が移動した場合について使われる言葉である。
「高利貸し」:不当な高金利で金銭を貸すこと、またはそれを行っている人のことをいう。不当な金利というのは、法律で定められている金利を上回る金利のことを指す。その金利は、出資法で定められている上限金利であり、年率29.2%である。(但し、閏年の場合は29.28%が最高金利となる。)これを上回る金利で金銭を貸し出すと刑事罰の対象となる。また、出資法以外にも、臨時金利調整法、利息制限法、貸金業規制法などでも上限金利が定められている。
特に、利息制限法で定められている上限金利(10万円未満は20%、10万円から100万円未満は18%、100万円以上は15%)を超える金利については支払う必要は無く、この金利を超える部分は民事的には無効である。
もし、利息制限法で定められた上限金利以上の金利で返済を行っていたら、完済の日から10年以内であれば返還請求が可能である。但し、債権の種類によっては10年以内であっても無理な場合もある。こういう経験があれば、弁護士に相談されたし。(やはり、専門家に相談するのが一番の方法である。)
↓参考まで
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