「二等兵物語」(その6) [映画(邦画)]
今回は、シリーズ全10作の中で、梁取三義原作の最後の作品となった、1959年のシリーズ第7作の1本についてです。(同年の第8作からはオリジナル・ストーリーとなって、伴淳・アチャコに三木のり平のトリオとなり、しかも古山&柳では無くなってしまうので、シリーズ作品と言っても別作品になってしまいます。)
シリーズ第7作「二等兵物語 万事要領の巻」(1959年)
作品データを記しておくと、1959年の松竹京都の作品で、時間は100分、原作は梁取三義、監督は福田晴一、脚本は安田重夫、撮影は片岡清、美術は川村鬼世志、音楽は木下忠司である。そして出演は、伴淳三郎、花菱アチャコ、川口京子、浪花千栄子、大邦一公、毛利菊枝、桜むつ子、関千恵子、伏見恵子、千典子、宇野博信、石黒達也、戸上城太郎、阿部修、林彰太郎、山路義人、森川信、中原伸、中山昭二、小笠原省吾、関口悦郎、南泰介、天王寺虎之助、館敬介、西川ヒノデ、カトウハジメ、乃木年雄、田中敬介、宮坊太郎、トニー谷、サトウ・サブロー、生方功、天野刃一、立原博、たちである。
昭和20年春、古山と柳は南方に派遣される輸送船にいたが、撃沈され海を漂流することになり、それを渋川隊の飛行機に助けられた。2人は物資豊富な基地を目にして、航空兵に魅せられた。そして、万事は要領ということで烏山大尉に賄賂を渡し、古山は整備員に、柳は無線工手となる。そんな中、2人は基地の近くに住むお春と知り合い、親しくなり、古山はお春の娘・みどりに一目惚れ。そんな中、古山が機体の整備中に空襲があり、応戦するために飛行機はそのまま飛び立ってしまう。パイロットは死んでしまい、操縦者のいない機体は墜落していくが、基地からの無線に従って古山が操縦し、何とか無事に着陸した。これによって古山は航空熱に浮かされることになり、飛行学校を受験する。しかし、直ぐに目を回すことから落第という有様だった。
そうしていると、みどりの恋人・加島が不時着した所を巡視艇に救われ、帰って来た。加島が空母を撃沈したと嘘の報告をした隊長は、嘘がばれないように憲兵隊に渡し、加島は病院に軟禁させられた。やがて、加島たちに特攻命令が出て出撃するが、加島機はパンクで、出撃中止、古山の乗った機だけが飛び立った。古山は無線と拡声器を使い、渋川立ちの悪事を暴露し、南の空に消えていった。
今までの作品の延長線上にあるノリであるが、今ひとつ、パワーが感じられない。要領よくやろうとするのはいいが、誰もがやっている「賄賂」をということではちょっと発想がストレート過ぎて、今ひとつ入って行きにくい。
シリーズはこのあと3本続くが、原作を離れたオリジナル・ストーリーとなり、伴淳・アチャコのコンビに1人加わり、トリオとなることや、古山と柳ではない別の名前になることもあり、本シリーズは一応ここまでということも言えるのだが、それにしたらちょっと寂しい内容でした。
↓DVDではなくてビデオです。
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