「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その86) [ケータイ刑事]
今回とりあげる「ある物」は、久しぶりに「生物」を取り上げることにして、「観賞魚」です。(「魚」としたら広くなりすぎちゃうのと、「熱帯魚」にすると狭くなりすぎてしまうこと、そして「007」のボンドの敵の性格を考えると、ちょっと不的確なイメージですから...)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「銭形愛・3話」、「007」からは「私を愛したスパイ」をメインに、「007は二度死ぬ」を、拡大解釈ということをして参考作品として触れておくことにします。また、「観賞魚」ではないが、他にもいくつか、とんでもない生物(但し、あくまでも水の中の生きものという限定を付けておきます。)を飼っている例をいくつか挙げておきます。
「ケータイ刑事」:「銭形愛・3話」。「死んだ魚の謎 ~美人作家付き人殺人事件」と言う物語であり、「魚」が事件を解く鍵となった事件でもある。
有名作詞家・浅沼麗子の付き人・片岡ひろみが遺体で発見されたが、ひろみは観賞魚を飼っていて、その魚の死骸も一緒に発見された。(麗子は魚が苦手であり、ひろみは大事にしていた。)ということで、事件の被害者が飼っていたということで観賞魚が登場している。
特に、魚の種類には触れられていないが、飼っていた魚は海水魚であり、魚が嫌いな麗子はそんなことは知らず、水道水を入れたバケツに入れていたことで、魚が暴れて、互いに傷つけ合って死んでしまったことが愛ちゃんにヒントを与えることになった。
ひろみは麗子のゴーストライターであり、次第に要求する金銭がエスカレートしていき、このままでは全てを奪われてしまうと感じた麗子がひろみを殺したのだったが、ストーカーが逮捕されたというように、色々とミスリードもあって、面白い1本でした。
「007」:「私を愛したスパイ」。1977年のシリーズ第10作で、3代目ボンドの第3作。本作では、敵であるストロンバーグがアトランティスという海に浮上することの出来る要塞を築いていたということで、地中海に生息している魚がその窓から鑑賞することが出来た。ということで、多くの魚が登場する。言い換えると、海に生息している魚を直接窓越しに見ることが出来る、ということで、「観賞魚」というと語弊があるかも知れないが、鑑賞する魚ということでは、一応「観賞魚」ということになる。(飼育しているとは言えませんが...)
ストロンバーグは、その中でもミノカサゴがお気に入りである。ミノカサゴは、フサカサゴ科の魚であり、見た目には綺麗な魚であるが、背びれの棘には毒を持ち、時には獰猛に他の魚を襲う魚でもある。成魚になると30cm程の大きさになる。(一応、食用魚である。)
「007」:「007は二度死ぬ」(参考)。1967年りシリーズ第5作で、初代ボンドの第5作でもある。本作に登場する魚はピラニアであり、ブロフェルドが飼っていたものである。しかも、水槽と言うよりは、室内にミニ・プール(若しくは池と言って良い)を設けていて、そこで飼育していた物である。(→このため、一応「観賞魚」ということにするが、鑑賞するというようなことは出来ないと言っても良い。)
大里の秘書であり、スペクターのNo.11であるヘルガ・ブラントがボンド暗殺に失敗すると、容赦なくそのピラニアの水槽(室内の池)に落とし、数分で骨だけになった。ということで、スペクターのボスとして、部下が任務に失敗者した場合の処刑用として、見せしめのための道具でもあった。→ピラニアを飼育しているだけでも危険なのに、水槽ではなくてミニ・プール(室内の池)で飼育していて、その上をまたぐ橋が落ちる仕掛けを用意していたのだから、処刑用という意図があったのは明白である。
その他、とんでもない生物を飼育していた例としては、「サンダーボール作戦」ではラルゴが自宅の庭のプールで人喰い鮫を飼育していたり、「死ぬのは奴らだ」ではカナンガの用心棒であるティー・ヒーがワニ園でワニを飼育していて、右手をワニに食われてしまったために義手をしていた。また、「ムーンレイカー」では、ドラックスが南米のアジトの中に作ったプールの中で巨大アナコンダをしいくしていた。ボンドは、これらの動物にいずれも苦しめられることになり、格闘することとなった。(いずれも難を逃れました。)
共通点(「007」は「私を愛したスパイ」についてです。)は、登場する魚は共に海水魚ということである。最近では海水魚を飼育するのに必要なグッズも比較的安価になって飼育しやすくなったものの、普通魚を飼育する場合は淡水魚である。なのに、淡水魚ではなくて海水魚を持ってくるという発想が「ケータイ刑事」の凄い所であるが、それが「007」と同じ種類の魚になってしまうのが凄い所である。また、飼い主(「007」では飼い主というよりもオーナーといった方が良いでしょうが...)は共に殺されているというのも共通している。(ひろみは殺害され、ストロンバーグもボンドが任務を遂行して消された。)
違いは、「ケータイ刑事」では飼育されていたが、「007」では特に飼育されていたというのではなく、普通に海中に生息していたという所である。→魚にとったら、狭い水槽の中で飼育されるのと、広い海の中で生きているのとでは、どっちが幸せなんでしょうかねぇ?
次回も、「ある物」シリーズを続ける予定でいます。何が登場するかはお楽しみに。
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