「あいつ」(その3) [映画(邦画)]
今回は1967年のシリーズ第3作についてです。
シリーズ第3作「命しらずのあいつ」
作品データを記しておくと、1967年の日活作品で、時間は91分、監督は松尾昭典、脚本は松尾昭典と甲斐久尊の2人、撮影は岩佐一泉、美術は中村公彦、音楽は嵐野英彦である。そして出演は、小林旭、東京ぼん太、広瀬みさ、浜川智子、藤竜也、内田良平、高品格、山田禅二、成田次穂、江見俊太郎、木浦佑三、柳瀬志郎、木島一郎、河上喜史郎、五十嵐マリ、中庸子、椿マリ、長弘、原恵子、水木京二、森みどり、中平哲仟、溝口拳、沢美鶴、田畑善彦、新山ノリロー、新山トリロー、たちである。
久しぶりに故郷の博多に戻ってきた都築浩介。それは、堅気になるために一緒に村岡組から足を洗った親友・武原が失踪したと、武原の妹・美津子から聞いたためだった。村岡組は、親分が怪死し、現在は長谷部が組長となっていた。浩介はダンサーの明美の恋人・新次のネクタイピンを目にして驚いたが、そのネクタイピンは彼が武原に贈った物であり、新次は長谷部の子分から貰ったと言う。これによって武原は殺されたものと察知した浩介だったが、武原の行方を捜し続ける。それを邪魔する長谷部だった。そんな中、明美たちが長谷部に香港に売られようなったが、新次がそれを妨げたために殺された。明美を救出したものの、浩介もホテルの爆破に巻き込まれて負傷し、聴力も失ってしまう。熊五郎に武原の行方を調べさせて、自分は体力の回復を待つ浩介。そんな中、銀行の貸金庫に武原が撮影した写真のネガ(村岡組長を殺そうとしている長谷部が写っていた。)を発見し、浩介は何が起こったか、全てを把握した。長谷部は、値賀で浩介の元に渡ったことを知ると、美津子を囮にして浩介を廃坑に誘い出し、消し去ろうとして殺し屋・北見を雇っていた。対決となるが、浩介の腕に北見が惚れたことから、北見が寝返り、美津子を無事に助けて長谷部を倒した浩介だった。その後、北見が浩介に決闘を申し込み、対決となる。浩介が北見を退け、全てに片が付いた。すると浩介は熊五郎と共に流しの旅に出て、この地を後にした。
基本的に、都築浩介と熊五郎というコンビが活躍する物語であるのはこれまでと同じであるが、浩介が負傷したことでようやく熊五郎の活躍の場が登場するというように、熊五郎の存在感が薄く感じられるのと、一時的に聴力までも失った浩介が対決に向かい、その対決で怒ることはちょっと都合が良すぎる様に感じる。(もう少し捻った展開も可能でしょう。)ということで、小林旭のための映画ということになっていて、それだけという作品でした。
ただ、次の最終作の評判がやたらと高いのだが、前作から本作への流れを考えたら、そんなことになるとは全く予想できないところであった。(→脚本や監督の差ということですね。)全4作の本シリーズの中では、どうでも良いようなに感じられてしまう出来だったのが残念な所でした。
本作のソフトが無いので、今回は主演の小林旭の音楽関係を拾っておきます。
- アーティスト: 星野哲郎,高田ひろお,伊藤アキラ,遠藤実,阿久悠,松本隆,小島貞二,西沢爽,宇田博,石坂まさを
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2003/11/26
- メディア: CD
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