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「悪名」(その4) [映画(邦画)]

今回は、前作のヒットによってシリーズ作品となって新たにスタートしたことになる、シリーズ第3作についてです。前作でモートルの貞が死亡したが、本作からはその弟・清次が登場することになる。(演じるのはモートルの貞と同じ田宮二郎である。)

シリーズ第3作新悪名
作品データを記しておくと、1962年の大映京都の作品で、時間は99分、原作は今東光、監督は森一生、脚本は依田義賢、撮影は今井ひろし、美術は西岡善信、音楽は斎藤一郎である。そして出演は、勝新太郎、田宮二郎、中村玉緒、浜田ゆう子、藤原礼子、万里昌代、須賀不二男、沢村宗之助、武智豊子、伊達三郎、丸凡太、淡波圭子、荒木忍、茶川一郎、島田洋介、今喜多代、鉄砲光三郎、浜世津子、小松みどり、加賀美健一、芝田総二、三浦志郎、岩田正、三上哲、沖時男、小南明、井上武夫、小中島亮、西岡弘善、谷口昇、薮内武司、安川洋一、北野拓也、南正夫、種井信子、三藤愛子、辻村博子、たちである。

戦争が終わり、朝吉は復員してきた。が、河内では彼は戦死したことになっていて、妻・お絹は再婚していた。落胆した朝吉は、死んだモートルの貞の女房・お照を訪ねる。お照は大阪の闇市で大福餅を売る暮らしをしていた。朝吉は貞を思って、四国の貞の生家を訪れ、老母・ふくを伴って家に帰って来る。ある夜、村で朝吉の歓迎宴が開かれる。それに、朝吉の幼友達・弥吉の妹の月枝が参加していたが、進駐軍に暴行された月枝は姿を消してしまい、朝吉は、月枝を探しに大阪に出向く。そして、釜ケ崎で見つけるが、清次という男の元にいた。清次は死んだ貞の弟であったが、朝吉も手を役ほどのがめつい男だった。で、昔のヤクザ気質を出して、月枝を清次の元から奪還する。その頃、清次は安部野の闇市の土地を買い取ろうとして金を貯めていたが、闇市のボス・金子はヤクザの大淀組と組んで、闇市の乗っ取りを企んでいて、清次のことは眼中になかった。そしてヤクザを使って矯正立ち退きをさせようと動き出した。これに清次は騙されたと知って、殴りこみを掛けるが、捕まって監禁されてしまう。これを知った朝吉は、大淀組へ乗り込む。手榴弾を手にする朝吉の前に、金子と大淀組はタジタジで、闇市から手を引くことになり、闇市は守られた。そして清次は朝吉に救い出され、朝吉の子分となった。

物語は戦後の混乱期ということになり、朝吉と清次の出会いの物語ということになる。ここから長々と続くことになるシリーズということでは、新たな出発点ということになるのだが、物語の方としては今一つ面白みが出ていない作品である。朝吉のキャラはそのままであるが、相棒となる貞(次作からは清次)の存在が無いため、朝吉というキャラをじっくりと描くことになり、この点では評価できるとコロでもある。が、相棒がいてこそ輝く朝吉のキャラであり、ちょっと「いい人」になりすぎてしまったのが面白くない所である。

が、今後のシリーズ作品への入口となる物語であるだけに、次作以降を見るためにも我満して見なければ、ということになってしまった作品でした。(本作を見ないことには、次作に進んでいけないですからね。)まあ、シリーズ作品であるから、何とか許されるのだが、単発作品だったら、どうでも良い作品になってしまうという微妙な作品でした。(本作で離脱して、以降のシリーズは全く見ないという選択肢もあるが、そうなると、面白い作品を何本か見逃してしまうことになっちゃいますし...)

 

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