ケータイ刑事銭形舞5話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
「銭形舞[裏ネタ編]」の第5話「シベリア超特急殺人事件」の「裏ネタ編」の増補の2回目(通算では3回目)となる今回で、この物語については打ち止めです。今回は物語中に出てきた事柄から、「軍用ブーツ」について、「匍匐前進」について、事件のトリックで使われた「バックミラー」について、真犯人の犯行動機にもなった「飲酒運転」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「軍用ブーツ」:「ブーツ」とは日本語では「長靴」または「深靴」と呼ばれる履き物である。(但し「長靴」と言うと、雨具としての長靴を指すことが一般的であるため、少し異なっているということになる。)尚、「長い」「深い」というのは、くるぶしよりも上の部分までも覆う、という意味である。(普通の靴(「Shoes」と呼ばれるもの)は足の甲を覆う履き物である。)足首までのもの、膝下までのもの、膝上までのものなどがあって、特に長い方の規定は無い。
特に、足を守るという目的が基本にあるため、革で作られたものが多い。また、足の中に砂や水が入らないように、足にピッタリとフィットするように作られている。(そのため、ゴム系の素材が使われているものもある。)
また、古くは乗馬を行う際に用いられていたが、これはキツネ狩りなどで乗馬して狩りを行うと、草むらの中などを進んで行くことになり、その時に足を傷つけないように保護するのに都合がよいものとして使われた。やがて、それが改良されて「乗馬ブーツ」と輪ばれるものは、鞍や馬体にフィットするように意図して設計、製作されている。
ブーツは足を保護するということで作られた靴であることから、これが軍隊で必要とするニーズに合致する者となり、軍隊では当たり前のように採用されるようになる。国によって長さに多少の違いがあるものの、おおむね共通しているのは膝の前後までの長さがあるものが一般的である。元々は騎馬兵が乗馬ブーツを着用していたが、これが流用される形で採用されるという形が多かった。やがて、馬が軍隊で使われなくなる20世紀では、乗馬ブーツは使われなくなるが、ブーツが足を保護するのに都合が良いということで、そのまま使われたり、鞍や馬にフィットするという部分が無くなるように改良されていくことになった。現在でも軍隊では基本的に使われている。
日本軍も、陸軍は乗馬ブーツが主流だったことの名残が見られ、乗馬ズボンと乗馬ブーツというのは将校の間では一般的なものとなっていた。(ある意味では、乗馬スタイルというのがステイタスになっていたということが出来る。)
尚、日本語でいう所の「ブーツ」は、英語では「Boots」、ドイツ語では「Stiefel」、フランス語では「Bottes」、イタリア語では「Stivali」、スペイン語では「Botas」と言う。
「匍匐前進」:「匍匐」とは、腹ばいなどのように直立しないで体を伏せた状態で移動することを言う。(普通の歩行時と比べて、体の重心がより低い位置になった状態である。)
一般的には「匍匐」という言葉で移動するという意味まであるが、軍隊では特に「匍匐前進」と言う移動方法として確立されている。これを使うと、隠密性や遮蔽性に効果があり、敵に発見されにくくなるということと、飛んでくる銃弾の被害を抑えることになる。よって、軍人であれば歩兵であろうと将校であろうと、基本中の基本である。但し、直立して移動(歩行)する場合や、中腰で移動する場合と比べて、移動速度は遅くなるという欠点もある。が、物陰に隠れやすいというメリットがある。→これらから、軍隊では、移動速度を重視した中腰に近い形での「匍匐前進」と、隠蔽性を重視した這うように移動する「匍匐前進」(=匍匐)とがある。そのため、「匍匐」とは呼ばずに「匍匐前進」と呼んでいる。
尚、「匍匐」は難読漢字としても知られている。「匍匐前進」というように「前進」が後ろに付いていると、比較的正しく読まれるが、「匍匐」の二文字だと正しく読まれないことが多くなる。また、果物のブドウを漢字で記すと「葡萄」となるが、これと混同されて、「匍匐」を「ぶどう」と読んだり、「葡萄」を「ほふく」と読んだりする誤りが多くなる。特に『「ほふく」を漢字で記せ』という問題では、「葡萄」という回答が多かったりする。難読漢字として知られているが、誤字の多い漢字でもある。→「匍匐(ほふく)」と「葡萄(ぶどう)」、しっかりと覚えておきましょう。
「バックミラー」:自動車の運転台などに取り付けられているもので、後方の様子を見るために使われる鏡のことである。尚、英語では「Back Mirror」とは言わず「Rearview Mirror」または「Driving Mirror」といい、「バックミラー」というのは和製英語である。(尚、側面に設けられている「サイドミラー」については「Side Mirror」と英語で言っても通じる。)
構成は簡単なものであって、鏡とそれを支持するものから構成されている。が、視界を広げるために、単なる平面鏡ではなく、凸面鏡というのが一般的である。また、曲面も均一ではなくて途中で変えているという工夫がされているものもある。更に、安全のために、二重写りが起きないように、使用される鏡は表面反射鏡というのが一般的である。(普通の鏡は反射面は表面ではなく奥にあるため、反射率に差があるとは言っても、表面で反射することによって生まれる像と、鏡面で反射することによって生まれる像とがある。)ということで、単純な鏡(所謂「平面鏡」)ではない。→近年では、明暗の環境(要するに、昼間と夜などに応じてということである。)によって反射率を制御する自動防眩ミラーもあるため、かなり高度な技術が結集したものとなっている。
尚、普通の乗用車であれば、車両の後部を見るのが主な目的であるが、この物語のようにバスでは、車両の後部を見るだけでなく、乗客の様子を確かめるというのも重要なことである。よって、今回の物語では、「バックミラー」の特性を上手く利用していた物語でありました。
「飲酒運転」:英語では「Drive Drunk」または「Drink and Drive」と言う。法律によって定められた許容量以上の血中アルコール濃度で運転することを言う。(これは法律的な意味での「飲酒運転」である。)普通は、飲酒後に車を運転すること、または運転中に(缶ビールなどを)飲みながら運転することを指して言う。→法的には、定められた血中アルコール濃度以下であれば違法にならないが、これが法律の限界点でもある。(違反となる数値を下げることは出来ても、ごく微量でも検出されれば違反とすると、通常時でも人間の血中アルコール濃度は0ではないので、誰でも「飲酒運転」になってしまいますし...)
アルコール(エタノール)は中枢神経系に作用して脳の神経活動を抑制するため、アルコールがある状態では、人間は運動機能の低下、理性や自制心の低下、動態視力、集中力、認知能力、状況判断力が低下する。(当然、個人差があって、微量でもこれらの能力が著しく低下する人もいれば、でない人もいる。が、アルコールが無い状態と比べると、必ず能力は低下している。)車の運転はこれらの判断力が鈍ると、重大事故に繋がることが多くなるため、こういう状態での運転を禁じていて、その行為を「飲酒運転」と言う。
尚、「飲酒運転」と言うと「自動車」というイメージがあるが、二輪車でも同じであり、バイクは勿論のことながら、自転車も同じである。(「酒酔い運転」は、自転車であっても刑事罰の対象である。)
また、車だけでなく、他の乗物についても「飲酒運転」というのはある。但し、電車、船、飛行機などでは「飲酒運転」とは言わず「飲酒操縦」と呼ばれるのが一般的である。
近年では、飲酒運転に対する重大事故(事件)が発生していることから、日本でも法的には罰則が強化されていて、現時点では2007年の改正道路交通法によって、酒酔い運転の罰則は「5年以下の懲役、または100万円以下の罰金」、酒気帯び運転の罰則は「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金」となっている。更に、飲酒検知を拒否した場合にも「3月以下の懲役、または50万円以下の罰金」となり、運転者に飲酒運転を下命し、または容認した自動車の使用者、更には同乗者も処罰の対象になっている。→それでもまだ甘いと思うのですがね。と言っても、懲役刑を長くしたり、罰金の増額だけでは完全には無くならないと思いますけど...永久的に免許剥奪とか、車両の完全没収など、別の面での罰則を付けるべきだと思いますけど... また、近年では、飲酒運転で懲戒免職などになった人が、この処分に対して処分撤回を求める裁判で、この処分は不当という判決が出ているが、「飲酒運転」が引き起こす重大性を考えると、このような裁判所の判断は到底理解出来ないものである。犯罪を減らすには、ある程度はスケープゴートが必要であり、こういうことが犯罪抑止力になるのである。
そういえば、以前、BS-i(現BS-TBS)が「飲酒運転撲滅キャンペーン」をやっていて、泪お姉ちゃまがそれに参加していたが、一年(半年弱でしたけど...)だけでなく、どうして毎年やらないのでしょうかね...???こういうことは継続してこと意義があるのに...
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