ヒデタ樹『スーパー・ベスト』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは2005年にリリースされたものである。歌った特撮やアニメの主題歌の数はそれほど多くは無いものの、確かな歌唱力で魅力有る曲を歌ってきた彼の曲を集めたベスト盤である。(特撮、アニメ関係の曲は全て収録されている。)有名な曲もあるものの、どちらかというと個性的な番組やキャラクターの歌を歌ってきた彼の魅力が詰まっている内容となっている。特に、ラストは別の意味でお馴染みの曲であり、しっかりと収録されている所がコレクターの心を揺さぶってくれる。
収録曲は以下の全20曲である。『海のトリトン』『夢の舟乗り』『おいらは淋しいスペースマン』『ブロッカー軍団マシーンブラスター』『小さなわが家』『わが子よ』『忍びのテーマ』『力石徹のテーマ』『風よ光よ』『ゴーゴー・キカイダー』『戦え!!人造人間キカイダー』『フラッシュ!イナズマン』『鉄人タイガーセブン』『戦え!ウルトラマンレオ』『青春の旅立ち』『さすらいのスターウルフ』『駆けろ!スパイダーマン』『誓いのバラード』『「日立の樹」この木なんの木』『日立この木なんの木(Vocal Version)』。
元々はソウル系ミュージックのシンガーであった彼が初めてアニメ関係の歌を歌ったのが『力石徹のテーマ』である。ソウルミュージックとアニメという世代が全く違う世界を繋いだ彼の歌は、アニソンに大人の世界の魅力を吹き込むことになったが、逆にその「大人」という所が嫌われたこともあって、アニソンの数は多くない。「トリトン」や「キカイダー」は別であるが、どちらかというとややマイナーな作品の主題歌が多いが、彼の持ち味であるソウルミュージックの歌唱法を用いていることで、いずれの曲もが大人の雰囲気を漂わせているものになっている。
曲の数ではミッチやアニキたち(所謂コロンビア四天王)の足元にも及ばないが、個性的な曲が多く、印象に残るシンガーである。
1998年12月に58歳で亡くなったということも意外と知られていないのだが、彼の残した歌は永遠である。特撮主題歌やアニソンということではマイナー扱いされているものの、曲の方はソウルフルな大人の魅力に満ちた曲が多いこともあるので、1人のシンガーとして聴いてみるのもよろしいかと... いずれにしても、実に貴重なベスト盤である。
ヒデタ樹 スーパー・ベスト~海のトリトン/人造人間キカイダー~
- アーティスト: 八手三郎,しのだとみお,林春生,STEREOTYPE
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/20
- メディア: CD
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