名曲探偵アマデウス#43 ホルスト「組曲『惑星』」 [ドラマ]
今回取り上げられた曲はホルスト「組曲『惑星』」でした。有名な曲なので、説明は不要ですね。で、この中から第4曲「木星」を中心にして語られていました。
尚、「組曲『惑星』」には、ホルストは書いていないが、コリン・マシューズが作った曲がある(「冥王星、再生する者」)が、これに関しては全く触れられていませんでした。冥王星が発見されたのは1930年で、この組曲が完成した時にはまだ発見されていなかった。ホルスト存命中に発見されたが、彼自身は新たな曲を作ろうとはせず、彼の死後、「冥王星」を追加するという試みが行われ、2000年に完成した。しかし、2006年に冥王星が惑星から除外されたことでこの試みはどうでも良いものになってしまった。ホルストのオリジナルの一部を改変していることもあって、賛否が分かれていたが、ホルストのオリジナルが生きることになって、これはこれで良かったと言うことになるのでしょうね。
が、「ケータイ刑事銭形泪」は2004年の作品であり、当時は冥王星も惑星であり、「銭形泪」の中には冥王星まで含んだ惑星が暗号に使われているという物語がありましたね。
冒頭では、所長とカノンさんが背中をもたれ合って寝ている(昼寝をしている)が、よっぽど暇な事務所と言うことが分かります。が、暴走族の音がうるさいということで目覚めたカノンさんは「とっちめてやる」と意気込んで表に行こうとする。そこに1人の高校生がやってきて、カノンさんはその高校生を暴走族と思って文句を言う。(→銭形泪ちゃんのような正義感丸出しのカノンさんですね~)が、高校生は「違う」と言って自転車でやってきたと言って、自転車を持ってくる。→この事務所って1Fではなかったですよね。(ファイルNo.040で、窓からフェアリー舞子が落ちていましたし...)
で、依頼はその高校生が、成績が悪くてこのままでは高校を卒業できないというのを担任の教師に頼み込むと、課題曲を聴いて思ったことを10文字で書け、と出題した。で、答えを教えて欲しいと飛び込んできたのだった。課題曲は「ジュピター」だった。(カノンさんが冒頭を歌ってくれました。)
この問題を解いていくということもあって、今回は10文字となる言葉遊び(「ケータイ刑事」では回文がお馴染みであるが、それとは違うものの、どこかで「ケータイ刑事」に繋がる所がありました。)が色々と出てきたのは楽しい所でした。(最初、カノンさんが言ったことは全て11文字になってしまうというのも楽しい所でした。)
ということで、「組曲『惑星』」であるが、最も有名な曲「木星」から入って行く。(平原綾香もちょっとだけ出てきて、この曲について語っていました。)
曲の冒頭部分が実は単純な音階をずらして重ねただけというのは、凄いですね。→色々と複雑怪奇なことを考えてしまおうとするが、単純なことにちょっとしたアイデアを加えただけのシンプルにものの方が効果的ということでする。
ヨナ抜き音階についてはこれまでにも何度か語られているが、今回も丁寧に説明してくれるのは、本作の優しいところであって、分かりやすいですね。
所長が「黒板の用意」と言って黒板を持ってきて惑星についての説明をするが、そこには地球を含む8つの惑星の絵が張ってありました。一体いつの間にそのようにものまで準備していたのでしょうかね?(この部分で「組曲『惑星』の7つの曲について、簡単であるが全てについて触れていました。)で、「木星」が中心ということの説明も上手く行っていました。
ここで依頼人のことを思い出した所長。ここからはいつものように人生相談という一面も見せる所長。こういう所があるから、本当に探偵なの?と思ってしまう所でもあります。依頼人がぐれている(名前も真路暮太(まじ・ぐれた)というように、「ケータイ刑事」のノリですね。)ことから、教師のようになって、曲の方も第7曲「海王星」になって、エンディング部分(フェードアウトするクラシック)についての説明となり、ここから先生の出題の回答を導く。で、答えを見つけた依頼人は自転車にまたがり、学校に戻っていくが、それを見送る所長とカノンさんだったが、カノンさんの「車に気をつけてね」と言うのは、色んな意味で面白い言葉でした。
今回のドラマ部分は34分半強、曲の演奏は8分半弱、ラストのオチが1分強という構成となっていました。「組曲『惑星』」は全曲となると長いので、どうなるのかと思ったら、第4曲「木星」だけでした。(が、今回の説明もそうだったが、当然と言えば当然ですね。)
ラストのオチの部分は、依頼人が再び夢に挑戦と言うことで、渡仏し、エアメールが届いたということで、それを読むカノンさん。これに対する所長の反応は、ロボット(宇宙人のつもりの方が良いかも...)のようになって、10文字言葉で返すだけとなる。カノンさんがそれに対して返す言葉も10文字になることが続き、それを所長が指摘すると、カノンさんは怖くなって逃げて行っちゃいました。
今回は依頼人が高校生ということで、カノンさんが随分といじったり、お姉さん目線でいたということで、これまでの物語での依頼人(特に年配の依頼人)には見せたことのない一面が出ていたのは面白い所でした。また、いつものように豊かな表情を見せてくれているが、お姉さん目線でのカノンさんということで、表情にも余裕がありました。
所長は時々、常識から外れた行動をすることがあるが、今回はそういう所も見せていて、カノンさんに負けずにいつもと違う所を見せてくれました。ということで、今回は所長とカノンさんのコンビが今までとは少し違った所を見せてくれたこともあって、今後が一段と楽しみになった物語でもありました。(が、来週は再放送ということで、次の新作は再来週です。)
来週は別番組の予定となっていた(月刊TV誌の情報です。)が、EPGやHPを見ると、放送があることになっています。(月刊TV誌の情報は、編集の関係もあって、月の下旬になると変更があるのも珍しくないですからね...)が、新作の放送ではなく、再放送です。放送されるのはファイルNo.011のベルリオーズ「幻想交響曲」です。これは2008/7/4が初放送だったものなので、所長とカノンさんの雰囲気も現在と少し違っています。で、その次の9/27はファイルNo.044のベートーベン「ピアノソナタ第8番 悲愴」、10/4はファイルNo.045のヴィヴァルディ「バイオリン協奏曲集<四季> 秋・冬編」と続きます。地上波は大相撲が始まったので粉州都来週はお休みですが、今週のBS-hiの再放送と金曜のBS-2は、今回BS-hiで放送されたファイルNo.043・ホルストの「組曲『惑星』」です。
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- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
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- アーティスト: ボールト(エードリアン),ホルスト,エルガー,ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団,ロンドン交響楽団
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/10/25
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- アーティスト: ラトル(サイモン),ホルスト,サーリアホ,ピンチャー,ターネイジ,ディーン,マシューズ,グリトン(ロビン),グリットン(ロビン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
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- メディア: CD
- アーティスト: ホルスト,サーリアホ,ピンチャー,ターネイジ,ディーン,マシューズ,ラトル(サイモン),グリットン(ロビン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
- 発売日: 2008/10/22
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宇宙―太陽系とその惑星から銀河宇宙の果て、地球外生命探査まですべてがわかる
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