名曲探偵アマデウス#48 ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」 [ドラマ]
2週ぶりの新作は、ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」でした。物語の方は企業の再生屋がやってきて、ということで、カノンさんの勘違いから始まって、色々と魅せてくれたカノンさんでした。(衣装の方をもう少し凝っていてくれたら良かったのに...)
新聞で手作り料理のチェーン店の経営危機で企業再生屋が乗り出したという記事を見ていると、その人物が現れた。カノンさんは「この探偵事務所を再生しに来てくれたのですか」と言うと、首だけは止めてくださいと言って、所長のことを案じていた。これに「私が再生するのは大企業なんです」と言われると「そうですよね~」とカノンさん。いきなりかましてくれました。
依頼人は、社内で士気を高めるためにクラシック音楽を聴くようになったが、それを聴くと体調が悪くなるということで、何故身体の調子が悪くなるのか、その相談にやってきたのだった。で、その曲がショスタコーヴィチの「交響曲第5番」だった。
所長が「今回は名曲探偵始まって以来の…」と言っていた所で、聴診器を耳に当てて、依頼人を診ようとしていたカノンさんでした。(すっかりドクターの気分ですね。)
まずは第1楽章から、ということで聴き始めるが、依頼人はいきなり息苦しくなってきた。首に聴診器を掛けているカノンさんは「下が120で上が200」と、血圧を調べてカルテに書き込んでいました。
で、第1楽章で使われている二重のカノンの説明があったが、カノンさんが自分のことに重ね合わせて反応してくれたら面白くなったでしょうね。
続いては、この曲が作られた時代背景の説明で、ロシア革命からスターリン独裁時代に突入して、ショスタコーヴィチはスターリンから糾弾され、その批判に答えるべく書いた曲ということが語られる。(まさに、大粛清に入ろうとしていた時代であり、何とか助かったということでした。)
続いて、第2楽章で、行進曲風なのに2拍子ではなくて3拍子ということを所長が語ると、カノンさんが曲に合わせて歩こうとするが、転けそうになるというのは魅せてくれました。
第3楽章ではパニヒダの説明があり、依頼人の過去が語られる。カノンさんの表情はいつも通りで本当に豊かでした。
第4楽章になるが、依頼人が「心臓が…」と言って倒れると、聴診器を付けたカノンさんが依頼人に当てて心臓の鼓動音を聴こうとするが「止まっている…」これに「そこは腹だよ。心臓はここ」と依頼人がカノンさんの手を動かし、「動いている…」とカノンさん。→なかなかの慌て者ぶりも魅せてくれて楽しいところでした。(ただ、この部分ではナース姿になっていたら、もっと良かったのに...)
第4楽章の説明では「二枚舌の交響曲」ということが説明され、ショスタコーヴィチの強い信念が語られる。で、おふくろさん食堂の方も、手作りという強い信念があり、「おふくろさんカレー」の名前が出ると「美味しそう…」とカノンさん。で、メニューを絞り込むということで、会社の再生の道が見えた。→今回の所長は、人生相談ではなくて、会社の企業再生の答えを導き出していました。
今回のドラマ部分は35分弱、曲の演奏は8分強、ラストのオチが約1分という構成でした。とは言っても、曲の部分は第1楽章と第4楽章の一部分ずつ(それぞれ複数パートあり)であって、解説のあった部分のみのダイジェストでした。→8分では交響曲全てをというのは不可能ですから、こういう形になるのは仕方のないところです。
ラストのオチの部分は、「ただいま」と言って所長が戻ってくると、エプロン姿のカノンさんがカレーを作っていた。お袋カレーのレシピこっそりと教えて貰ったというカノンさん。で、カレーをご飯にかけて所長に出す。皿を見た所長は驚いた。カレーの中にタコが入っていたのだった。カノンさんは「~響カノン特製~ おふくろさんカレー ショスタコーヴィチ風」と言っていた。すると所長は、「月に一度の断食道場に行く日だった」と言って食べずに出て行ってしまった。
今回のカノンさんは、表情の方はいつもの通り豊かで色々と魅せてくれたが、聴診器、エプロンという小道具を使っていたということで、是非ともナース姿を見せて欲しかったところでした。(聴診器を依頼人に当てている所で。)演出の点でも、あと一捻り欲しかったところが色々とあったが、それでも面白い物語でした。(ただ、あと一捻りがあったら更に良くなったのはまちがいないものであって、95点を取れるテストを85点で答案を作るのを止めてしまったという印象の物語でした。85点でも決して悪くない出来ですけど...)
所長はカノンさんの「手作り」と言う言葉に引いてしまったが、カノンさんの手料理なら、一度は食べてみたいと思います。それにしても、カノンさんって、食材をそのままの形で料理にしてしまうのが得意(?)のようですね。(以前には、皮を剥いたバナナをそのまま鍋に入れて煮ていましたしも今回のタコもそのままでしたし...)
次回(来週11/15)はファイルNo.049・プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」です。ゲストは村松利史さんということなので、怪演ぶりを見せてくれることでしょう。その後は、11/22はファイルNo.050・ヤナーチェク「シンフォニエッタ」、11/29は何かの再放送、12/6はファイルNo.051・フォーク「レクイエム」と続きます。また、今週の火曜朝と土曜昼のBS-hiの再放送、及び金曜昼間の地上波の放送は今回のファイルNo.048・ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」で、BS-2の方はお休みです。(ただ、地上波は国会中継でまたも無くなりそうな予感が...)
- アーティスト: バーンスタイン(レナード),ショスタコーヴィチ,オーマンディ(ユージン),ヨーヨー・マ,ニューヨーク・フィルハーモニック,フィラデルフィア管弦楽団
- 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
- 発売日: 2008/11/19
- メディア: CD
- アーティスト: ハイティンク(ベルナルト),ショスタコーヴィチ,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団,ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2001/04/25
- メディア: CD
- アーティスト: ロストロポーヴィチ(ムスティスラフ),ショスタコーヴィチ,プロコフィエフ,ワシントン・ナショナル交響楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
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