野球狂の詩#18「白球七五三」 [アニメ]
今回の物語は、メッツの選手では主砲の国立の物語であるが、国立も脇役で、国立ファンの少女が主役の物語。少女・藤子は、母を亡くし、会社が潰れ、現在はちり紙交換業に従事している父と2人で生きている少女であるが、男勝りの女の子で、メッツ・国立の大ファンである。そんな藤子が七五三を迎えて、というお話である。
野球選手ではなく、ファンにスポットを当てた物語は原作漫画ではちょっと珍しい物語であるが、やはりこれも「野球狂」である。また、岩田鉄五郎がファンを大事にする姿も描かれていて、これはこれでなかなかいい話である。
この年、国立は好調でホームラン王を争っている。先行する巨人の王を追って、ペナントシーズン終盤で追い上げ、最終戦でホームランを打って、王と並んでホームラン王のタイトルを獲得と共に、メッツが優勝、そして日本シリーズでロッテと対戦する。が、日本シリーズでは全く打てず、勝った方が日本一となる第7戦まで全く打てなかった。最終戦もロッテが3-0のリードで最終回を迎えた。試合の方は、二死満塁から国立が逆転満塁サヨナラホームランを打って、メッツが日本一になるのだが、この打席の前にドラマがある。
日本シリーズで国立が打てなくなったのは、気になることがあったためで、それは高校時代、甲子園で打ったホームランボールをお手伝いさんがちり紙交換に出してしまっていたことだった。高校時代の思い出のホームランボールが国立の心のよりどころとなっていていた国立は気がかりで、打てなくなってしまった。これに、高校時代の同級生であり、東京日日スポーツの山井が絡み、国立の高校時代が少しだけ描かれているということで、一応はメッツ・ナインの物語にもなっている。
試合途中で、藤子が父と一緒にやってきて、国立の思い出のホームランボールが戻って来る。また、藤子にすれば、憧れの国立が七五三ということだった。(藤子の父が国立のボールを回収したちり紙交換だった。)
で、試合中にもかかわらず、ベンチ裏でホームランボールを渡され、藤子と握手する国立。物語としたら出来すぎというものであるのだが、まあそれはということで...
ただ、試合中にベンチ裏にまでファンを入れるというのがあり得るのか?と思うが、これはファンを大事にするメッツということで、まあ宜しいかと...(現在では、あり得ないでしょうが...)
今回の物語中のエラーは、エラーと言って良いのかということになるのだが、日本シリーズでのロッテの選手のユニフォームが、どう見ても中日のユニフォームだったという所でした。(胸のチーム名まで描かれていないため、色と肩口の模様で判断することになるが、ロッテには見えない...)→27打席ノーヒットの国立が打って、それによってメッツが日本一になるという展開のため、パリーグの優勝チームはどうでも良いようなものであり、この原作漫画が描かれた時期から考えて、1974年のパリーグ優勝チーム(日本一チームでもある)を持ってきたということなのだと思いますが...
次回は、優勝争いをしているメッツにおいて、大活躍をしていたエース・岩田清を襲った物語を描いた「脅迫スリーラン」です。
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