「喜劇・列車」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第39弾として取り上げる作品は、ガラッと変えて喜劇を取り上げることにします。で、1967年から1968年にかけて全3作品が東映で製作された「喜劇・列車」シリーズを取り上げます。(邦画に詳しい方は、第40弾として取り上げる作品がお分かりでしょうね。→その通りのシリーズを取り上げる予定です。)
このシリーズは東映東京の製作であり、瀬川昌治監督が喜劇監督として認められる事になったシリーズでもある。また、主演は渥美清であり、「男はつらいよ」シリーズの前に出演した作品である。(本作の後にTVドラマの「男はつらいよ」がスタートし、更にその翌年から映画シリーズの「男はつらいよ」がスタートしている。)
主人公はうだつの上がらない鉄道員であるが、シリーズ3作全て別人である。しかし、いずれのキャラクターも人情に満ちあふれている所は共通であり、別に同一人物であっても問題はないと感じられる。で、その鉄道マンが主役で、人情味にあふれたハートフルな喜劇となっている。→社園が渥美清というみとで、設定に違いがあるものの、「男はつらいよ」の車寅次郎に繋がる部分が感じられる作品でもある。
ただ、40年以上も昔の作品であるため、本シリーズに登場する鉄道列車は現在では残っていないのが殆どであり、車両も現在から見ると古い車両であるため、何かと違和感を感じることになる。が、昔の車両と「国鉄」という言葉の持っている響きが、現在では感じられることが薄くなった「人情」を醸し出す事にもなっていて、ある意味では何処か懐かしさを感じることになる。
作品の方は派手な所がないものの、鉄道が身近な存在に感じられる古き良き時代を描いていて、それが笑いとともに楽しむことが出来るということで、ちょっぴり幸せを感じることの出来るシリーズである。
初回となる今回は、シリーズのおさらいです。本シリーズ作品は以下の通りである。
シリーズ第1作「喜劇・急行列車」(1967年)、シリーズ第2作「喜劇・団体列車」(1967年)、シリーズ第3作「喜劇・初詣列車」(1968年)。
次回からは、それぞれの作品について、順番に記していくことにします。
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