WILD BLUE『NO MORE JINX』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表されたアルバムである。'80'sのロックの世界では、「良くも悪くも」ということで語られるまが『産業ロック』であるが、彼らはその典型的なサウンドのバンドである。が、じっくりと産業ロックを研究しているだけのことはあって、いかにも、というサウンドを聴かせてくれている。(が、産業ロックのもう一つの柱であるビッグ・セールスを狙ったということでは外れてしまったのもまた事実である。)
収録曲は以下の全9曲である。『Only You』『Fire With Fire』『Nowhere Left To Run』『When I Think About You』『Blue Daze』『Give Me A Reason』『Leather Blues』『Taboo』『International Language Of Dance』。
お薦め曲は、『Only You』『Fire With Fire』『Blue Daze』『International Language Of Dance』という所をピックアップしておくことにするが、どれを取ってもという感じがするのもまた事実である。
メロディ・ラインといい、ややハード寄りのサウンドといい、歌唱力が十分あるボーカルといい、メンバーの技量もこれという大きな欠点が無くて纏まっているところといい、まさに「産業ロック」というベルトコンベアーに乗せられて登場した様なサウンドを聴かせてくれている。あまりにも教科書通りのサウンドになっていることで、逆に個性が感じられない所が残念な所でもある。
ヒットの規模ということでは、余りにも纏まりすぎていることもあって、思惑通りには行かなかったが、だから世の中は面白いということも言える。(彼らのように計算し尽くして、それで全米No.1を獲得するような大ヒットになってしまえば、マニュアルが横行するだけで、つまらなくなってしまうでしょうし...)
ということで、ヒットということでは今一つであるが、'80'sを語るええで忘れてはならない「産業ロック」に関しての貴重な資料にもなるアルバムである。'80'sのロックを聴く上では、こういうものがある、ということで、一度は聴いておきたいアルバムである。(今となっては、資料性ということで、逆に価値が高まっていると言って良いですね。)
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