上田知華+KARYOBIN『上田知華+KARYOBIN』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼女のデビュー・アルバムである。(後にソロ・シンガーとしても活躍することになるが、最初は弦楽四重奏のメンバーを加えたバンドとしてデビューしている。)クラシックの要素とニューミュージックの要素が融け合って、独特の世界を構築しているアルバムでもある。
収録曲は以下の全11曲である。『ピアニッシモ』『ブルージィ・モーニング』『梅雨明けの頃』『エイプリル・ラヴ』『オープン・ザ・ウィンドウ』『BGM』『RINGO』『線』『二人のディナー』『ガールフレンド』『メヌエット』。
アルバムの方は1979年にリリースされているが、それまでに3曲のシングルが発表されていて、その3曲のシングル曲も全て収録されている。(シングルは、デビュー曲から順番に『メヌエット』『オープン・ザ・ウィンドウ』『ガールフレンド』である。)
お薦め曲はシングルとしてリリースされている3曲(『メヌエット』『オープン・ザ・ウィンドウ』『ガールフレンド』)と『ピアニッシモ』『オープン・ザ・ウィンドウ』をピックアップしておきます。
'80's後半には「J-POP」と呼ばれるようになったが、当時は「ニューミュージック」と呼ばれていて、日本の音楽シーンをリードすることになるが、彼女のサウンドはそんなニューミュージックの中でも独特のものであり、クラシックのテイストがするものは珍しいものであった。(が、'70'sには、洋楽ロックの世界ではクラシックとの融合ということで発展したものがプログレであり、クラシックとの融合によって新たな音楽を生み出していたという実績がある。)それだけに、クラシックとの融合という点では完成したものではなかったが、可能性を感じさせるサウンドとなっている。(実際、この後のアルバムで彼女はそういう音楽をより明確にして確立させている。)
ただ、本アルバムの不満点というと、収録時間が約34分ということで、短いと感じてしまう所である。(とは言っても、これは作品の質には関係しない事柄である。)時にはこういうサウンドもいいものですよ。
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