ADAM & THE ANTS『KINGS OF THE WILD FRONTIER』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らの2nd.アルバムである。邦題は「アダムの王国」。前年のデビュー・アルバムが全英で最高位16位を記録するということで、順調なデビューを飾った彼らであるが、本アルバムは全英No.1の座を獲得して10週連続1位に君臨すると共に、アメリカでもヒットを記録して、彼らの名前を広く浸透させたアルバムである。(アメリカではBillboardで最高位44位を記録している。)
収録曲は以下の全13曲である。『Dog Eat Dog』『Antmusic』『Rancheros』『Feed Me To The Lions』『Press Darlings』『Ants Invasion』『Killer In The Home』『Kings Of The Wild Frontier』『Magnificent Five』『Don't Be Square (Be There)』『Jolly Roger』『Physical (You're So)』『Human Beings』。
この中からシングル・カットされたのは3曲で、いずれもがイギリスでヒットを記録している。アメリカではBillboardのHOT 100には3曲ともランクインしていない。)『Kings Of The Wild Frontier』が最高位48位、『Dog Eat Dog』が最高位4位、そして『Antmusic』は最高位2位という大ヒットになっている。(全英でTOP 5入りした2曲は、アメリカではBillboardのMainstream ROCKチャートではTOP 20入りを果たしている。)
お薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーであり、シングル・ヒットを記録した『Kings Of The Wild Frontier』と、大ヒット・シングルの『Antmusic』『Dog Eat Dog』、そして『Magnificent Five』『Don't Be Square (Be There)』をピックアップしておきます。
独特のメイクによるビジュアル的な方に目が集まってしまうが、このあと、イギリスのバンドではニューロマンティック派と呼ばれるビジュアルに重点を置いたバンドがいくつか飛び出してきて、それらが第二次ブリティッシュ・インベージョンの波を起こすことになる。しかし、彼らはビジュアル系のバンドではなく、サウンドの方もなかなかしっかりしたニューウェーブ/ポスト・パンク系のものである。
また、彼らは翌年に3rd.アルバムを発表すると1982年に解散してしまい、アダムはソロになるのだが、そういうキャリアを考えると、突っ走っていた時代のものということで、とても貴重なアルバムである。
'70's終盤から'80's初頭はイギリスの音楽シーンがとても面白い状態になっていたが、彼らもそんな時代を代表するバンドの一つであり、'80'sに大きな影響を与えたバンドでもある。'80'sサウンドを堪能するのであれば、基礎として聴いておかなければならないバンドの一つでもある彼らの最高傑作と呼べるアルバムであるだけに、じったくりと聴いておきたい所である。
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