谷村新司『昴』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼の6枚目のソロ・アルバムである。それまでもアリスとしての活動と平行してソロ活動を行っていた彼であるが、本作のヒットによってよりソロ志向を強めていくことになったアルバムでもある。また、アルバム・タイトル・ナンバーでもあるシングル『昴』は彼のソロとしての最大のヒット曲となっている。
収録曲は以下の全8曲である。『Runnin'on -ランニング-』『終着駅』『レテの川 -Lethe-』『この世が終る時』『マイ・ボーイ』『玄冬記 -花散る日-』『残照』『昴-すばる-』。
この中からは、何と言っても『昴』である。彼のソロ・シングルとしては2枚目となったシングルであるが、これが大ヒットとなった。また、彼自身もコンサートでは必ず歌う曲としてお馴染みでもあって、海外でも人気の高い曲である。(本アルバムからのシングルは『昴』のみである。)
お薦め曲は、『昴』は余りにも有名であって、彼の代表曲であるので当たり前である。それ以外では、『Runnin'on -ランニング-』『終着駅』『マイ・ボーイ』という所をピックアップしておくことにする。
本アルバムは全体を通してドラマが描かれているため、軽いノリのものではなく、じっくりと聴かせるアルバムである。それだけに、じっくりと味わいながら聴くべきであろう。特に『昴』は余りにも有名な一曲であるだけにネタにされていることも多いが、本アルバムにはそのような軽いノリを受け付けないものがある。また、ちょっとやそっとでは揺るがない芯の強いメッセージがアルバムを貫いている。(同時期のアリスの楽曲とは全く別世界の音楽を突き進んでいる。)
現在ではアジアを代表する名曲として愛されている名曲『昴』は、単にシングルとして優れているということではなく、収録されているアルバムの方も完成度の高い作品であるだけに、一度はじっくりと聴いておきたいアルバムである。
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