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「日本女侠伝」(その6) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第43弾として記してきた「日本女侠伝」シリーズも今回で幕となります。で、残っているシリーズ最終作について記します。この作品は、当時はまだ日本に返還される前の沖縄を舞台にした物語ということで話題になった作品でもある。

シリーズ第5作日本女侠伝・激斗ひめゆり岬
作品データを記しておくと、1971年の東映京都の作品で、時間は96分、監督は小沢茂弘、脚本は笠原和夫、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、音楽は津島利章である。そして出演は、藤純子、菅原文太、津川雅彦、水島道太郎、大木実、待田京介、天津敏、西田良、潮健児、北村英三、有川正治、南利明、紙岡紀美子、林彰太郎、阿波地大輔、木谷邦臣、宇崎尚韶、白川浩二郎、秋山勝俊、たちである。

戦死した両親から受け継いだ運送会社を経営する女社長・与那嶺ゆり。ある夜、暴力団・岩松組にからかわれていた花売娘を助けたことから、彼女は母親の郷里・新城集落の悲惨な現状を知ることになり、集落をたて直すために立ち上がる。しかし、そこには岩松組の妨害が入り、ことは進まない。また、その集落には日本軍の九六式榴弾が残されていて、そのことを岩松組が知ると、横取りを計画した。そんな頃、東京の中上組組長の中上鉄が岩松組の客分として迎えられる。岩松は更にあくどい手を使ってゆりたちを潰そうとするが、それが余りにも悪辣だったことから、中上はゆりの作業に協力するようになる。岩松はゆりと中上を消してしまおうとするが、失敗すると、中上がパスポートを偽造して入国していることをMPに密告する。その頃、東京の中上組からは組長を迎えに子分の秀が沖縄入りをする。しかし中上は東京には戻らないことを告げると、ドスを持って新城集落へ向った。秀は全てをゆりに話した。で、ゆりも新城集落に駆けつけた。既に壮絶な死闘が展開されていて、ゆりの会社の社員の犠牲もあって、バリケードを突破したゆりと中上は、岩松を追いつめていき、そして遂に刺して、戦いは決着した。が、米軍の憲兵隊が駆けつけてきて、2人は連行されたいく。しかし、中上は事件の全てを被り、ゆりは釈放、中上は銃殺刑と言う処分が下された。中上を失ったかにシミにゆりは、別れの曲『花風』を舞い続けていた...

前作や前々作では藤純子の見せ場が今一つであったが、本作ではクライマックスの見せ場もしっかりと用意されていたということで、十分納得できる作品として仕上がっている。(やはり、期待するものがしっかりと登場する作品というのは、お決まりのパターンに陥ってしまう危険があるものの、安心して見ていることが出来る。)

また、本作ではアメリカ占領時代の沖縄が舞台となっているが、そういう時代設定の任侠映画というのは珍しいだけに、この点でも見ておいても良いでしょう。MPという存在が任侠映画に遭わないという心配も、官憲などの支配権力組織の置き換えと考えれば、取り立てて気になることも無い。

本作によってシリーズが幕を下ろすことになったのは、興行的なことだけでなく、藤純子のプライベートにも関係していることでもあるが、本作がなかなか良かっただけに、幕となったのはちょっと残念でした。(前々作と前作の出来からすると、シリーズに幕というのも納得できるが、本作はその期待を裏切るデキの良さがありました。)が、シリーズ作品というのはそういうものなのですよね...

 

 

日本女侠伝 激斗ひめゆり岬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS


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