DIRE STRAITS『DIRE STRAITS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1978年に発表された彼らの1st.アルバムである。バンド名が自虐的な名前であり、しかも当時の音楽シーンの主流をいくサウンド(当時は何と言ってもパンク・ムーブメントの最盛期であった。)とは全く違う対極を行くサウンドであったことで、最初は受け入れられなかった。が、オーストラリアで人気に火がついたことから本国イギリスをはじめアメリカでもヒットを記録することになったアルバムである。チャート成績は、オーストラリアでは1位、アメリカでは最高位2位(1979年のBillboard年間アルバム・チャートでは23位にランクイン)、本国イギリスでは最高位5位を記録する大ヒットとなった。
収録曲は以下の全9曲である。『Down To The Waterline』『Water Of Love』『Settin' Me Up』『Six Blade Knife』『Southbound Again』『Sultans Of Swing』『In The Gallery』『Wild West End』『Lions』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。デビュー曲である『Sultans Of Swing』は、当初はさっぱりだったが、オーストラリアで支持されて、豪州で最高位6位というスマッシュ・ヒットとなり、そこから逆輸入という形で本国イギリスでヒット(最高位8位)し、続いてアメリカでも最高位4位という大ヒットになった。(1979年のBillboard年間シングル・チャートでは61位にランクインしている。)続く『Water Of Love』は最初に彼らの人気に火を点けたオーストラリアで54位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、彼らの代表曲でもある『Sultans Of Swing』(邦題:悲しきサルタン)は外せない所である。そして『Down To The Waterline』『Settin' Me Up』『Six Blade Knife』『Lions』という所をピックアップしておく。
彼らのヒットは、時流に乗っていなくても良いものは正当に評価されるという英米の音楽シーンの良識ということで語られることが多いが、確かにその通りである。(某国のように、良いものでもヒットしないと評価されないという姿勢(しかも、ヒットするものは作られたヒットでしかないだけに、救い所は全く無い...)とは大違いである。)ただ当時は、バンド名(日本語に訳すと「絶体絶命」)に自虐ネタを使っているとはいうものの、日本ではこのことにはあまり触れらず、英米でのヒット曲ということで受け入れられたのは、楽曲の良さと、英語の本来の意味が分からなかったことの無知だったのか...???
テクニックとしたらなかなかのものがあるということで、ギターがお好きな方にもたまらないところであり、特にギターを演奏する方には教科書となるところもある。それだけに、バンドをやろうとする者の間では教科書ともされたアルバムでもある。当時、時流に乗っていなかったが、自分たちの音楽スタイルがはっきりとしていることもあって、発表から30年以上の歳月が流れたものの、全く色褪せることのないアルバムであるだけに、しっかりと聴いておきたいところである。
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