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「不良番長」(その12) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ最終年の1972年に製作された3本の中から、シリーズ第14作と第15作の2本について記します。

シリーズ第14作不良番長 のら犬機動隊
作品データを記しておくと、1972年の東映東京の作品で、時間は88分、監督は野田幸男、脚本は松本功と山本英明の2人、撮影は稲田喜一、美術は藤田博、音楽は八木正生である。そして出演は、梅宮辰夫、山城新伍、峰岸隆之介、藤竜也、八並映子、池玲子、内田良平、安部徹、今井健二、中田博久、小林千枝、安岡力也、誠直也、岡崎徹、久保浩、植田峻、永井秀明、深江章喜、八名信夫、西本良二郎、若梅邦夫、木原洋子、渡辺やよい、佐藤晟也、たちである。

新宿を根城にして暴れまくっている神坂率いるカポネ団。ある日、神坂は練馬鑑別所時代に知り合った西城という男と再会した。その西城は東京に進出することを狙っていた。その頃、カポネ団の横暴ぶりを止めようと、暴力団・加納組が動き始める。で、カポネ団の博奕場があったビルが追い立てを食らい、麻薬に手を出すとそれを横取りされてしまい、そして風俗嬢幹施の容疑で警察に逮捕までされてしまった。この一件で神坂が釈放された時には、カポネ団の勢力はかなり衰えていた。そんな所に藤村製薬が新型覚せい剤を製造しているという情報を得た神坂は、一発逆転の大勝負に出ることにした。で、麻薬を横取りするのに成功し、藤村製薬を脅して3000万円を手に入れた。しかし、藤村は加納組と繋がっていて、加納組が復讐のためにカポネ団に絞った攻撃を始めた。また、西城の女を押さえ、西城に神坂を殺すように強制し、カポネ団の壊滅を狙う。更にカポネ団のサブを人質にして3000万円と交換を要求した。神坂は西城と対決することになるが、仲間のガリがそれを止めた。というのは、ガリは西城の妹だったためだった。で、サブと金との交換は、札束から数枚の紙幣を抜いておいた神坂が、素知らぬ顔で渡し、サブを取り戻した。が、この交換終了は、加納組のカポネ団壊滅作戦の開始の合図でもあった。で、加納組によってカポネ団の面々は次々と殺されていき、ガリまでもが殺されてしまった。妹を殺された西城は神坂の味方として戦うが、その西城も凶弾に倒れてしまう。で、神坂は最後の勝負に出て、主力の兵器を使って殴りこみ、加納組を壊滅させた。

いつもながらのお馴染みの展開であって、型にはまった通りの展開の物語というそれだけの作品である。物語の方ももう少し練ったらよかったのですが...

シリーズ第15作不良番長 一網打尽
作品データを記しておくと、1972年の東映東京の作品で、時間は88分、監督は野田幸男、脚本は松本功と山本英明の2人、撮影は山沢義一、美術は北川弘、音楽は八木正生である。そして出演は、梅宮辰夫、渡瀬恒彦、山城新伍、藤竜也、ひし美ゆり子、真理アンヌ、鈴木ヤスシ、安岡力也、岡崎徹、久保浩、室田日出男、堀田真三、八名信夫、内田朝雄、京唄子、鳳啓助、大泉滉、由利徹、福富太郎、工藤正見、車英二、誠直也、花田達、木下哲也、佐藤晟也、小林千枝、藤江リカ、たちである。

新宿で生まれ育った神坂は、その新宿を根城にしてやりたい放題の暴力団・大東共友会の存在を許せず、それに対向するためにアパッチ、シック、ジャブたちの愚連隊とカポネ団を結成し、自らがそのリーダーとなった。そして、大東共友会が盗品を隠してある倉庫に警官に扮して近づき、その物を押収するとして奪い取ってしまった。で、それをさばいた金で豪遊する神坂たち。が、そのキャバレーが火事になって大騒ぎとなる。この時、キャバレーのマネージャー・五郎と知り合い、吾郎のがめつさに神坂も感心していた。そんな頃、神坂と刑務所仲間だった力石がカポネ団の前に現われた。力石は大東共友会の幹部であったが、出所後は会長・大滝に煙たがられる存在となっていた。力石の様子から、神坂は自分を殺しに来たことを察知するが、力石は自分を裏切った大東共友会に半旗を翻し、神坂を救って自ら共友会の襲撃の銃弾の盾となった。事切れる前に力石は神坂に、共友会が予定していた麻薬取引の場所を語って息絶える。その場を切り抜けて脱出した神坂たち、力石から教えられた場所に乗り込む準備を整え、翌日、武器を持って殴りこみに向かった。

基本のパターンを部分的に変更している物語であるとはいうものの、シリーズを刷新するほどの力はなく、平凡に範囲で終わってしまったのが残念という一本でした。ただ、真理アンヌを見るという目的であれば、一応は合格点でしょうけど...

今回の2本は、シリーズ作品としてマンネリ化した中で、如何にして新しい要素を取り入れ、かつ、シリーズのパターンを守っていくかという難しい命題に挑んだ作品であり、かなり苦労していることがよく分かる作品である。結局、両作とも、ストーリーの上でもう一捻り欲しかったということで終わってしまうことになるのだが、シリーズ作品の末期という症状が見られているということでは、こんな所といったところですかね...

 

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