GLORIA ESTEFAN AND THE MIAMI SOUND MACHINE『LET IT LOOSE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは、1987年に発表された「MIAMI SOUND MACHINE」としては10枚目となるアルバムであると同時に、デビュー10周年となるアルバムである。また、これまでの9枚のアルバムでは「MIAMI SOUND MACHINE」名義としていたが、本アルバムではG.ESTEFANの名前を前面に出すことになった。(次のアルバムからは彼女のソロ名義となるため、彼女とバンドの名前が並ぶ形では唯一のアルバムである。)また、本アルバムからは全米No.1ヒットとなる曲も生まれている。
特にイギリスとオランダでは大ヒットとなって、この両国ではNo.1の座を獲得している。また、アメリカではBillboardで最高位6位を記録していて、1987年の年間アルバム・チャートでは88位に、1988年の年間アルバム・チャートでは13位にランクインしている。
収録曲は以下の全10曲である。『Betcha Say That』『Let It Loose』『Can't Stay Away From You』『Give It Up』『Surrender』『Rhythm Is Gonna Get You』『Love Toy』『I Want You So Bad』『1-2-3』『Anything For You』。
この中からシングル・カットされたのは全部で5曲である。リリース順に『Rhythm Is Gonna Get You』(US最高位5位、UK最高位16位)、『Betcha Say That』(US最高位36位)、『Can't Stay Away From You』(US最高位6位、UK最高位7位、オランダ最高位1位)、『Anything For You』(US最高位1位(2週連続1位)、UK最高位10位)、『1-2-3』(US最高位3位、UK最高位9位)である。尚、全米No.1ソングとなった『Anything For You』は1988年のBillboard年間シングル・チャートでも13位にランクインしている。また、この曲が全米No.1ヒットとなったことで、欧州ではこの曲名を本アルバム・タイトルにしている。
お薦め曲は、「MIAMI SOUND MACHINE」の名前のある曲の中では最大のヒット曲となった『Anything For You』をはじめとする『Rhythm Is Gonna Get You』『Betcha Say That』『Can't Stay Away From You』『1-2-3』という一連のヒット曲と、アルバム・タイトル・ナンバーである『Let It Loose』をピックアップしておく。
サウンドの方はラテンノ香りに満ちたものであり、ポップでダンサブルで聴きやすいものである。(ラテン・ポップスと言う言葉を生みました。)'80's後半にはワールド・ミュージックの台頭で様々なサウンドがヒットすることになったが、ラテン系ミュージックのヒットは、'80's前半から頑張ってきた彼女たちの功績が大きいのは言うに及ばない。(それ以前にも、ラテン系サウンドは何度かのブームがありましたけど...)それだけに、彼女たちの集大成と言うべき本アルバムは、80's終盤のラテン系サウンドを代表するものである。
確かに、当時としても先端を言っていない所もあるのだが、時代の先端を行くということが全てではなく、その妙なアンバランスさもスパイスと思えば楽しくなってくる所である。('90'sに入ってからのサウンドは洗練されすぎてしまった感も否めないだけに...)ということで、'80'sサウンドらしいラテン・サウンドを味わうことの出来るアルバムでもあって、'80's終盤を語る上では忘れられないアルバムの1枚である。
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