「無宿人御子神」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第45弾として取り上げる作品は「無宿人御子神(むしゅくにん・みこがみ)」シリーズです。この作品は、「木枯らし紋次郎」の原作で知られている笹沢左保の原作を元にした時代劇アクションシリーズであって、東宝が制作した作品である。(テレビドラマとなった「木枯らし紋次郎」のヒットによって、笹沢作品を映像化しようとしたものである。)
主人公の無宿人御子神の丈吉は、元渡世人であったが、妻子のために足を洗っていた。が、妻子を国定忠次に殺されたことで、妻子の仇を取るために国定忠次を追って旅に出て、その旅先で起こった出来事を描くという展開の物語である。→連続TV時代劇の方が映画シリーズにするよりも向いているような物語でもある。
主演は原田芳雄であって、スタートしたのは1972年である。結局、1973年までに3本が製作されただけでシリーズに幕を下ろすこととなってしまった。「木枯らし紋次郎」は「股旅もの」というところが受けてヒットを記録したが、その再来というようなブームを呼ぶことは出来なかった。
日本映画全盛の昭和30年代であれば、シリーズ作品として大きく化けた可能性も考えられるが、既にTV時代となっていた'70's初頭の作品であったため、苦戦することになってしまったのは残念であった。しかし、内容的には時間の制約がより厳しくなるものの、1時間の連続TVドラマにしたほうが良かったと感じられる作品でもある。
また、ソフト化という点でも恵まれていないのだが、本シリーズの全3作はアメリカ版のDVDがリリースされているということで、思いも掛けないところ存在している。そのため、カルト的なシリーズとしても知られている作品でもある。
今回は初回ということで、各シリーズ作品のおさらいということで、各シリーズ作品のタイトルを記しておく。
シリーズ第1作「無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた」(1972年)、シリーズ第2作「無宿人御子神の丈吉 川風に過去は流れた」(1972年)、シリーズ第3作「無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ」(1973年)。
次回からは、年代順に、それぞれの作品について記していくことにします。
↓原作小説
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