浜田省吾『生まれたところを遠く離れて』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1976年に発表された彼のソロ・デビュー・アルバムである。今でこそ日本の音楽シーンのビッグネームと成っているが、当時は殆ど売れることもなくて、自分のやりたい音楽をすることが出来ないという状況が続くのだが、本アルバムでは、愛奴を脱退して、自分のやりたいサウンドを進んでいって、全ての曲の作詞作曲編曲を行ったということで、若い頃の彼の音楽志向を知ることが出来るアルバムである。ただ、発表当時は、「こんな重いものを作っても仕方がない」と言われ、実際、殆ど売れなかった。本人も完成度に満足せず、「廃盤にしてほしい」と言っていて、完全に黒歴史扱いされることになったアルバムである。(後の彼からすると考えられないことですけどね...)
収録曲は以下の全10曲である。『路地裏の少年』『青春の絆』『朝からごきげん』『雨上りのぶるーす』『悲しい夜』『街角の天使』『壁にむかって』『HIGH SCHOOL ROCK & ROLL』『生まれたところを遠く離れて』『とらわれの貧しい心で』。
尚、本アルバムのリリースと同時に『路地裏の少年』がシングル曲としてリリースされているが、シングル・バージョンとか歌詞とアレンジが違うアルバム・バージョンが本アルバムには収録されている。(そのため、別曲扱いしても良い。)
'80'sになってブレイクしてからの彼のサウンドとは完全に異なるものであって、全体的に暗く重い曲が多い。本人も完成度に満足していないのだが、特に手を加えられることもなくてCD化されて再発されているのは、本人にとっては納得できないところであろうが、ファンにしては貴重な音源として嬉しいところであろう。
確かに、サウンドの点では本人が納得していないというのが分かる部分もあるが、若くて音楽に架けようとしている魂だけは、後のアルバムよりもあるように感じられる。まあ、彼のキャリアを語る上の資料の一つという認識で聴くというので宜しいかと...
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