「与太郎戦記」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第47弾として取り上げる作品は大映の末期である1969年から1970年に製作されたナンセンス・コメディの人気シリーズである「与太郎戦記」シリーズです。
いくつかの人気シリーズもあるものの、スターとの間でのトラブル続きだったという印象の強い大映の最後の人気シリーズと言ってよい作品群である。主人公・与太郎は「ヒーロー」と呼べるような存在ではなく、ドジで女の方にばかり目が向いているが、人情深い所があるという、何処かで聞いたことのあるようなキャラクターである。(松竹のあの超人気シリーズの主人公と同じタイプですね。奇しくもそのシリーズも第1作は1969年8月である。ちなみに、本シリーズの第1作は1969年7月公開ということで一月ほど先であるが、超人気シリーズは前年からTVドラマとして放送されていた。)その与太郎が軍隊に入り、そこで巻き起こす珍騒動を描いたコメディ・シリーズである。(舞台が軍隊ということで、笑いの要素が求められない所になっているのが面白い所である。)
主演はフランキー堺であり、惚けたキャラクターが実に似合っている。(実際、彼は本シリーズ以外にもいくつかの喜劇シリーズでの主演があります。)そして、そのキャラクターで人気を得ることになったシリーズである。
尚、本シリーズには原作があって、春風亭柳昇の「与太郎戦記」がそれである。但し、原作は彼の軍隊生活での回顧録であり、体験記であるが、映画の方はそのまま映画化したものではなく、脚色がされているのは言うまでもない。
結果的には全4作で幕が下りることになったが、軍隊を舞台にした喜劇としてはなかなか楽しいシリーズでもある。大映の歴史を考えると、大映の最後の華々しい花火になったと言う作品である。時期の関係などもあって、DVD化されていないのが残念なところである。(かつてはLDでリリースされていた。)
今回は初回ということで、各シリーズ作品のおさらいということで、各シリーズ作品のタイトルを記しておく。
シリーズ第1作「与太郎戦記」(1969年)、シリーズ第2作「続・与太郎戦記」(1969年)、シリーズ第3作「新・与太郎戦記」(1969年)、シリーズ第4作「与太郎戦記 女は幾万ありとても」(1970年)。
次回からは、年代順に、それぞれの作品について記していくことにします。
↓DVDではなくてビデオです。
↓原作本はこちら
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