堀江美都子『IMAGE』 [音楽(特撮/邦楽)]
もう一枚、ミッチのオリジナル・アルバムを取り上げることにします。今回は、1981年に発表されたミッチの2枚目のオリジナル・アルバムである。本アルバムを発表した当時はアニメ・ブームの真っ直中でもあって、アニメ関係の様々なものに脚光が浴びていた時期である。毎日、かなりの本数のアニメがTV放送されており、数多くの主題歌を歌っているミッチの歌は毎日の様にTVから流れていて、その露出度は当時のトップアイドルにも引けを取らないものがあった。また、歌唱力も定評があっただけに、安心して聴くことの出来る女性シンガーでもあった。(下手なアイドル歌手よりもはるかに歌が上手い。)前年の1st.オリジナル・アルバムに続いてのリリースというのは実に嬉しいところでした。
収録曲は以下の全10曲である。『ピュア・モーニング』『二人の夏』『バイバイ・ボーイ』『渚のパープル・レイン』『少しセンチメンタル』『Dr.マジック』『サンシャイン』『風色のダイアリー』『夢子』『一枚の写真』。
この中からは『ピュア・モーニング』がシングル・カットされてリリースされていた。(尚、B面は『Dr.マジック』でした。)
お薦め曲は、シングル曲の『ピュア・モーニング』、それ以外からは『二人の夏』『渚のパープル・レイン』『Dr.マジック』『サンシャイン』と言う所と、他の曲とは毛色が違ってスロー・テンポのバラード調である『一枚の写真』をピックアップしておく。(本当は「全部」と言いたいところなんですが...)
サウンドの方はポップなものであって、いずれもがとても聴きやすいものである。また、明るくて元気が出る'80'sポップスそのままである。(一部には'70's後半のアイドル・ソングに近いものもありますが...)しかも、パンチ力があって、張のあるミッチのボーカルが小気味よさを与えていて、ポップなサウンドをたっぷりと楽しむことが出来る内容である。(後ろ2曲は少し毛色が違いますが...)
ミッチのオリジナル・アルバムというと、クオリティの高い傑作である1st.の「EMOTION」と4th.の「Ready MADONNA」ばかりが注目されている。確かに、その2枚のアルバムはクオリティも高く、内容も充実しているアルバムであるので、当然と言えば当然である。その2枚のアルバムと比べると、本アルバムには「これぞ!!」という突出した曲がないので、目立たなくなってしまうところがある。しかし、本アルバムは、突出した曲がないが、「捨て曲」というような曲が無く、クオリティのバラツキが無い佳作が揃っている。(平均点も十分高く、標準偏差が小さいということである。)つまり、目立たないが内容の高いアルバムである。→こういうアルバムを「隠れた名盤」と言うのである。
アニソン・シンガーではなく、ポップ・シンガーとしてのミッチのアルバムというと、どうしても隠れがちになってしまうアルバムであるが、こういうアルバムこそじっくりと聴きたいところである。
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