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「女賭博師」(その6) [映画(邦画)]

今回は7本製作された1968年の作品の中から、同年の3本目と4本目の公開となったシリーズ第7作と第8作の2本について記します。尚、第7作は1968年5月、第8作は1968年7月の公開であった。

シリーズ第7作女賭博師鉄火場破り
作品データを記しておくと、1968年の大映作品であって、時間は87分、監督は井上芳夫、脚本は長谷川公之、撮影は中川芳久、美術は高橋康一、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、成田三樹夫、原知佐子、垂水悟郎、内藤武敏、大友柳太朗、大信田礼子、水原浩一、上野山功一、千波丈太郎、仲村隆、佐伯勇、井上大吾、豪健司、花布洋、三笠すみれ、横江弘子、甲斐弘子、志保京助、阿部脩、中原健、北城寿太郎、高村栄一、獅子てんや、瀬戸わんや、たちである。

賭博師として日本一の腕前になることを目指している銀子は、師である伸江と共に、全国の賭場から賭場へと渡り歩いていた。で、銀子の正確な読みと伸江の鋭い啖呵によるコンビは各地で評判になり、2人の名前はあっという間に全国区となった。そんなある日、東京に勢力を持つ黒川から2人に声が掛かった。これは日本一になるには絶好の機会と考えた伸江は、自分はイカサマで指を折られたことで諦めざるを得なかった日本一のツボ振りに銀子を仕上げるチャンスと思い、イカサマがあることも承知で引受けた。銀子はためらいがあったものの、胴師を無事に務めた。そんな銀子に黒川は惚れ込み、伸江に銀子との仲を取り持つように要求した。しかし、伸江は銀子がそれを受けるはずがないと知っていて、一計を案じた。全国の親分衆が集まった花会の席で、銀子を矢ノ上と対決させ、勝負は矢ノ上が勝った。しかし、この時矢ノ上が使った札は名人の作ったイカサマ札であった。また、伸江はこの勝負に銀子の体を賭けていたが、勝負の後でそのことを知った銀子は、怒って伸江と別れ、一人で日本各地の小さな賭場へと流れていった。しかし、銀子に惚れ込んだ黒川が廻状を用意していて、そのため銀子はツボ振りが出来ず、マッサージ師として生計を立てざるを得なかった。そんな銀子に、郡山にシマを持つ一匹狼・前島が復位の手を伸ばした。前島は銀子が矢ノ上と勝負していたのを見ていて、それがイカサマだったことも知っていた。前島からイカサマの話を聞いた銀子は、矢ノ上に復讐を果たそうとして、前島の元で懸命にツボを振って修業を重ねた。しかし、前島の賭場で銀子がツボを振っていることが黒川にも伝わり、面子を潰された黒川は前島にシマを賭けた勝負を挑んだ。黒川の代理人は矢ノ上で、親分衆立合いの場で銀子と五番勝負を行うことになった。
することになったのだ。勝負は進み、最後の五番目の勝負に、銀子の鋭敏な指先は盆のかすかな変化を見逃さず、矢ノ上のイカサマを見破ったのだった。

本シリーズの基本的なパターンに沿った物語であるため、安心して見ていられる作品である。

シリーズ第8作女賭博師尼寺開帳
作品データを記しておくと、1968年の大映作品であって、時間は84分、監督は田中重雄、脚本は高岩肇、撮影は中川芳久、美術は後藤岱二郎、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、三条魔子、川津祐介、大坂志郎、志村喬、早川雄三、千波丈太郎、夏木章、水原浩一、蛍雪太朗、北城寿太郎、京唄子、鳳啓助、南州太郎、萩本欽一、坂上二郎、小山内淳、中田勉、谷謙二、伊達正、三夏伸、喜多大八、八重垣路子、八代順子、井上大吉、佐伯勇、たちである。

ツボ振り師として抜群の腕を持っている銀子は父・辰造と共に深見の賭場のツボ振りになる。以後、深見の賭場は大いに流行っていった。深見のライバル・川井は、何とかして巻き返しを図ろうとして、緋桜の梨江を銀子に挑戦させた。しかし、梨江は鮮やかな銀子のテクニックの前に敗れ、川井から追われて身を隠した。そんなある日、銀子は自動車事故で重傷を負い、同乗していた深見は即死だった。このままでは俳人になる可能性もあるという銀子だったが、辰造が看護して、何とか元のように回復した。しかし、辰造は、銀子の入院費を川井から借りていたため、銀子は川井の賭場でツボを振ることになる。ある日、イカサマ賽に凝っている辰造は、自分の作ったイカサマ賽を銀子に使ってくれと頼み込み、仕方なくそれを使った銀子。が、そのために川井の賭場から追われることになってしまい、手入れで辰造は逮捕されてしまう。賭場から賭場へと流れていく銀子は下田にやってきた。そして、かつて世話になった大五郎の元に顔を出した。大五郎はやくざと手を組んでいる川井のために、経営するスーパーマーケットが倒産寸前に追い込まれていた。で、銀子は大五郎の借財を賭けた五番勝負を申し出た。五番勝負は尼寺浄閑寺で行われることになり、川井側の賭博師は元の鞘に収まった梨江だった。一方、辰造は刑期を終えて出所したが、巧妙なイカサマ賽を作っていたことを川井たちに知られ、賽を奪われて殺されてしまい、そのイカサマ賽が梨江の手に渡っていた。銀子は辰造の作ったイカサマ賽とも戦うことになり、五番勝負が始まった。勝負は梨江が優勢に進んで行き、最期の一番となった。そして、梨江のイカサマは銀子の高度のテクニックに紙一重の差で及ばず、勝負は銀子が勝ったのだった。

パターンが分かっていると、先読みが出来てしまうのだが、その通りに物語が進んで行くのはある意味では面白いのだが、8作目にもなるとボチボチ飽きてくるだけに、ギリギリの所にある作品ですね。

今回の2作も物語の骨組みは同じであって、肉の付き方が違っているだけであって、基本的には同じように進んで行く物語である。本作は'60年代の作品であり、まだ映画もTVに対して優位なところがあった時代であったが、そういう時代であればこういう作品もまあ宜しいかと... 現在では2時間ドラマで年に数本新作が製作されるシリーズがあるが、そういう感覚の劇場公開シリーズと思えばいいですし...

 

↓本作ではなく、シリーズの一部ですが...

江波杏子の女賭博師 [VHS]

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女賭博師 丁半旅 [VHS]

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女賭博師 花吹雪お涼 [VHS]

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女賭博師 十番勝負 [VHS]

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女賭博師 さいころ化粧 [VHS]

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