STRAY CATS『RANT N' RAVE WITH THE STRAY CATS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼らの3rd.アルバムである。(本国イギリスでのカウントであって、USを含む世界では、UKでの1st.と2nd.アルバムからの編集アルバムに次いで2枚目となる。)また、第一期活動期の最後のアルバムである。(1984年に最初の解散をし、1986年に再結成して1993年に再び解散、2004年に再々結成して、現在も活動中である。)尚、本アルバムはアメリカではBillboardで最高位2位を記録し、1983年の年間アルバム・チャートでは14位にランクインしている。また、イギリスでは最高位51位を記録している。
収録曲は、オリジナル盤では全10曲である。『Rebels Rule』『Too Hip, Gotta Go』『Look At That Cadillac』『Something's Wrong With My Radio』『18 Miles To Memphis』『(She's) Sexy + 17』『Dig Dirty Doggie』『I Won't Stand In Your Way』『Hotrod Gang』『How Long You Wanna Live, Anyway?』。尚、日本版のみ、『Lucky Charm (Ooh Wee Suzy)』(邦題:ラッキー・チャーム)が追加収録されていた。
この中からシングル・カットされたのは都合4曲である。1st.シングルの『(She's) Sexy + 17』はBillboardで最高位5位を記録し、1983年の年間シングル・チャートでは84位にランクインしている。また、イギリスでは最高位29位を記録している。d.シングルは、イギリスでは『Rebels Rule』であったが、USでは『I Won't Stand In Your Way』であり、Billboardで35位を記録した。それに続いてUSでは『Look At That Cadillac』もシングル・カットされて、Billboardで最高位68位を記録している。
お薦め曲としては、ヒット・シングルであって、彼らの代表曲の一つでもある『(She's) Sexy + 17』とシングル曲の『I Won't Stand In Your Way』、それ以外からは『Look At That Cadillac』と『Dig Dirty Doggie』をピックアップしておく。
'50'sのロカビリー・サウンドを再現し、「ネオ・ロカビリー」と呼ばれたブームを巻き起こした彼らであるが、本アルバムはその流れに乗りつつも、ポップな要素が前作よりも濃くなっている。そのため、サウンドとしてはより聴きやすいものになったのだが、ロカビリーを期待した人からは今一つということになってしまったのが残念な所であった。(確かに、ロカビリー色ということでは前作の方が上である。)また、彼らは何かとトラブルを起こしていたこともあって、バンドが解散することになってしまい、「ネオ・ロカビリー」のブームは下火になってしまった。(やはり「ブーム」というのは長続きしない...)
とは言っても、'50's風のサウンドが'80'sに甦ったということで、良いものは評価されるということが'80'sでも通用するということを教えてくれることになったのと、'80's中盤から後半には様々なサウンドが取り入れられて「'80'sサウンド」と云うものがよりバラエティに富むことになるムーブメントを起こしたということは、彼らの功績と言うことが出来る。
ということで、'50'sサウンドと接触するきっかけにもなるアルバムでもあって、ロック・ファンであれば一度は聴いておきたいアルバムの一つである。
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