「女の警察」(その5) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第52弾として記してきた「女の警察」シリーズも今回限りとなります。今回は残っているシリーズ最終作(劇場公開は1970年7月だった。)についてです。
シリーズ第4作「女の警察 乱れ蝶」
作品データを記しておくと、1970年の日活とアロー・エンタープライズの作品で、時間は85分、原作は梶山季之、監督は小沢啓一、脚本は中西隆三、撮影は横山実、美術は木村威夫、音楽は鏑木創である。そして出演は、小林旭、青江美奈、水野久美、夏純子、内田朝雄、松本めぐみ、牧紀子、喜多野純、麻生れい子、佳川ヨコ、内田良平、三田村元、郷えい治、マイク・ダニー、北原義郎、丸山修、酒井三郎、千代田恵美、太田とも子、北城寿太郎、たちである。
「女の警察」と呼ばれていて、ホステスたちの信頼の厚い篝は、瀬戸内海航路の船上で悠子という女と7年ぶりに再会した。悠子には、総会屋の大物・醍醐がバックについているということを知った篝は、醍醐についての調査を開始する。というのは、ここのところ盛んにホステスの引き抜きが行われていて、それを仕切っている黒木のボスが醍醐であったためだった。で、黒木の正体に探りを入れたが、何者かに襲われることになる。気がついたときには、目の前に盲目の美女・洋子がいた。篝は醍醐の一味を敵として戦うことを決意して、弟分の四郎に情報を集めさせた。で、四郞は、洋子が黒木の妹で、眼の治療費を稼ぐために黒木は醍醐の仕事を手伝っているということが分かった。そんな中、四郎の恋人・メイが醍醐一味に誘拐されてしまう。また、黒木は足を洗うためには篝を殺害することと命じられていて、篝のマンションに潜り込んでいた。篝が帰宅すると黒木が待ち伏せていた。しかし、篝の元に、洋子が醍醐に誘拐されているという知らせが入ると、黒木は醍醐に騙されていたことを知り、篝と手を組むことにして、一緒に醍醐の元に乗り込んでいき、醍醐を叩きのめした。数日後、篝は救出した洋子を連れて銀座の街にいた。
監督がやくざ・アクションで知られる小沢監督になったことで、過去の作品よりもアクションは力が入っているものの、小林旭主演作品の中ではそれでもまだおとなしい方である。が、前作とは違ってテンポよくストーリーが展開されていき、また、こういう作品ではお楽しみとなる作品の華となる女優神もそれなりに魅せているので、娯楽作品としては良くなった。
本作でシリーズに幕が下りることになったが、シリーズの中では最も面白く見ることが出来る作品で幕を下ろしたというのも、邦画の低迷を感じさせることになってしまった。
小林旭主演のシリーズであるが、アクション派控えめということもあって、シリーズ全体としては消化不良だったという印象が強いが、最終作はそれなりに楽しめたということで、形の上では「終わりよければすべてよし」ということになるのであろうが、全体的には物足りなさの残ったシリーズでした。(こういうところがソフト化されない理由の一つでもあるのでしょうね...)
↓ソフトが無いので原作を...
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