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名曲探偵アマデウス・リムスキー・コルサコフ「交響組曲シェエラザード」 [ドラマ]

久しぶりの新作となる「四日連続放送」の2日目は、リムスキー・コルサコフの「交響組曲シェエラザード」が取り上げられましたが、この物語は今までとは少し違う展開の物語となっていました。(昨日のも部分的に今までと違う所があったが、今回もということで、色々と新機軸を出しているということになりますね。→レギュラーで新作の放送を再開させてもらいたいところです。)

今回の「今までになかった所」とは、依頼人がいなかったということです。尚、過去に、ファイルNo.024でも依頼人がいなかったが、その時は所長がカノンさんをテストするという感じであったが、今回もそれに近いものであると言えないこともないが、今回は「カノンさんにコンサートを聴かせるというプレゼントだった」という善意の解釈と、「カノンさんを振り回しただけ」という悪意の解釈が出来ますね。(依頼人がいなかったことと、あの犯行予告状では、所長の自演ではないかと、最初に思ってしまいましたから...)

また、今回もカノンさんが事務所から表に飛び出して行ったが、今回の「四日連続」では、カノンさんが全て表に飛び出していくのですかね。これはこれでいつもとは違うカノンさんの姿が見られるということで、楽しみです。尚、今回はそれ以外にも、カノンさんのコスプレ(シェエラザード)もあったので、楽しませてくれました。

いつものOPに戻って、3年目のタイトルがそのまま流れる。冒頭、こっそりと出社してきたカノンさん。が、所長は背を向けたまま「響くん、おはよう」と言うと、明るく「おはようございま~す」とカノンさん。所長は「今月はこれで5回目の遅刻じゃないか」と言うが、カノンさんは「正確には6回目です」と正直に言う。(少なく申告せず、正直に言うカノンさん、いいですね~)所長はカノンさんの出社を待っていたと言うが、「依頼人も来ていないし...」とカノンさん。すると所長は「オケラ座の怪人より」と、活字を切り張りした文字を張った封筒を見せた。

オケラ座の怪人とは、クラシック・コンサートに潜入し、演奏会を無茶苦茶にしてしまうクラシック音楽の最大の敵だ、という。これまでにもいくつかコンサートを中止に追い込んだことがあったという。(ピアノの上から蛙をダーっと降りそそいで中止にした、合唱隊に胡椒をばらまいてクシャミが止まらなくして滅茶滅茶にした、という過去があると所長が話したが、これって、「ケータイ刑事」に登場した怪人十面相が殺りそうな手口ですね...)で、そのオケラ座の怪人から犯行予告状が届いたというのだった。

犯行予告状に記された記号(カノンさんは「顔」と言ったが、「1001」の下にお皿のような形の三日月ということで、カノンさんの言ったように「顔」に見えます。)から、それは「千夜一夜」と推理した所長。で、そうなると曲はリムスキー・コルサコフの「交響組曲シェエラザード」と言う。事件は「千夜一夜物語」の中にあるということで、その説明(「アラビアンナイト」)について所長が説明する。→この時、所長がシャーリアール王に憤死、カノンさんがシェエラザードに扮した寸劇がありました。

所長は、「ひょっとしたら血なまぐさい事件になるかも」と言うと、事件を防がなきゃ、とカノンさん。で、犯行予告に挑むことになった。(が、所長の手際の良さによって、この時に所長の自作自演では内科という予感がありました。)

カノンさんは雑誌「ぷあ」(言うまでもなく、休刊になった「ぴあ」が元ネタであるが、このノリ、以前と変わりませんね。)で「シェエラザード」のコンサートを探し、所長は三日月ということから日にちを推理し、「明日」と言う。で、カノンさんは「ぷあ」で「シェエラザード」のコンサートがあるのを見つけた。で、明日のコンサートならば今頃はリハーサルをしているので、カノンさんに「潜入捜査を命じる」と所長。カノンさんは立ち上がって敬礼すると「了解しました」と言って「スパイ大作戦のテーマ」がバックに流れ、出掛けて行こうとする。が、立ち止まって「何をどう調べれば?」と所長に尋ねるカノンさん。で、犯人の狙いを突き止めることで、「シェエラザード」の管弦楽法を紐解き、最も大事な部分を見つけ出すこと、と助言した。

「ピンクパンサーのテーマ」が流れる中、カノンさんはクラシック音楽雑誌記者に分し、カメラを手にし、潜入捜査を開始した。(今回もカノンさんの活躍(?)が見られます。)

リハーサル会場に潜入したカノンさんだったが「管弦楽法と言われても、全然分かんな~い」という状態だった。そんなカノンさんがロビーに出てくると、「あの人、どっかで見たことが...」と言い、野本先生がいた。(ファイルNo.024では、カノンさんは野本先生の所を訪ねていたが、再会と言うことになりました。)で、カノンさんは「シェエラザードの管弦楽法について教えて欲しい」と頼み、野本先生が丁寧に説明する。(カノンさんはちゃんとメモを取りながら聴いていた。)

まずは「弦楽器」ということで、それに注目してリハーサルを見るカノンさん。まずは第1楽章のバイオリン・ソロを狙っているのでは?と考えて、そのパートについての説明へ。

弦楽器、木管楽器、金管と打楽器の3つに分けて聴き比べ、それぞれの楽器が何をひょうげ死ているのかが説明される。で、弦楽器はオーケストラの中の土台であって主役だ、と野本先生。

カノンさんは事務所に戻ってきて「犯人の狙いが分かりました」と言って報告した。が、所長は「いいところに目を付けた」と言うも「そう単純な話ではない」と言って、犯行の動機を考えたと言って、それを説明する。(犯人は、オーケストラに恨みを持っている。演奏が下手か、人間関係に躓いたか→これって、今だ完全に語られていない所長の過去に当てはまっていると思われる。(恨みと人間関係ということで該当すると言う気がします。))で、そうなると、管楽器が危ないと考えた。

それを受けたカノンさんは、木管楽器に注目し、第1楽章で、木管楽器がソロで主役を受け渡している部分についての説明へ。次々と主役となる楽器が変わっていくが、この部分について、フルート、クラリネット、オーボエ、ファゴットについて、音色などの説明がされる。で、それらを用いて四季彩館豊かな音楽を生み出していた。

カノンさんはリハーサル会場から携帯電話を使って所長に報告した。が、所長は、他の楽器が主役になるパートがあるので、全ての楽器に打撃を与えると考えているのかもしれない、と言った。これに対してカノンさんは「凄く怪しい人がいる」と報告した。それはソロを弾いていたバイオリン奏者と言う。(オーバーアクション、目の動きも他の人と全然違う、とカノンさんは言うが、細かい所までしっかりと観察していますね。)すると「それだよ」と所長。それは「コンマス」ということで、コンマス、則ちオーケストラの主役であるコンサートマスターに対して徹底的にマークするように指示を出した。で、「分かりました」と言って(電話で話しているのに)敬礼をしていたカノンさんでした。

カノンさんはコンサートマスターに注目し、コンサートマスターについての説明となる。コンマスの役割、仕事について語られる。また、ボウイングについても説明があったが、オーケストラでは弦楽器のボウイングが揃っているのも、コンマスが関わっていたということが分かりました。(普通に考えたら、ボウイングの向きが逆になるのもありだと思ってしまうでしょうから...)

特に、ピッチを揃えるのに、音ではなく、別のもので伝えなければならないというのは、よく考えたら当然であるが、「なるほど」と思うところでもありました。

カノンさんは、電話で所長に「オケラ座の怪人が狙っているのはコンサートマスターと考えられる」と報告した。所長は「犯行のタイミングだ」と言う。カノンさんは、コンマスはオーケストラをリードしていくのだから、早ければ早い方が良いのでは?と言うが、所長は最も大きな打撃を与える場所と考えて、物語が大団円を迎える第4楽章と考えた。

で、物語の結末についての説明へ。ここでは出てくる主題について説明され、それは第1楽章の冒頭にも出てきたもので出てくるが、凶暴だったシャーリアール王の主題が変化した形で登場し、シェエラザードの主題と融合することで物語がハッピーエンドを迎えるのを表現している。所長は、そういうハッピーエンドな結末は絶対に許せないと考えている、と考えた。で、第4楽章で何かを仕掛けてくるはずなので、その瞬間を取り押さえ、現行犯で捕まえるんだ、とカノンさんに指示をした。それを聴いたカノンさんは、自信なさそうに「はい」と答えたが...

「演奏会当日」ということで、いつものように曲の演奏へ。ということで、ドラマ部分は34分半強、曲はダイジェストという形で、説明があった部分を中心にしたもので、8分半弱、ラストのオチの所が1分半弱という構成で、オチの部分が少し長めという時間配分でした。また、曲の部分は「演奏会当日」という設定で、コンサート本番ということにしたが、これも今までにない上手い繋ぎ方でした。更に、この後のラストのオチにも繋がる構成となっていました。

ラストのオチは、コンサートが終わって、会場を後にしたカノンさんは所長に電話を入れて報告する。電話に出た所長に、「事件は何も起こりませんでした。一体、どういうことなんですか?」と報告と質問をした。所長は「そうか、起きなかったか...」と安心したように返すと、「それは、犯人の邪悪な心にシェエラザードの美しい音楽が勝ったということだよ。演奏に最後まで聴き入ってしまい、犯行を取りやめたのだろう」と説明した。カノンさんは「それぞれの楽器が奏でる美しいオーケストレーションを耳にして、悪いことをしようとしていた自分がバカに思えてきたってことですね」と、綺麗に返した。所長は「犯行を防いだのは、王様を改心させた優しくて美しい娘。シェエラザードだったのかもしれないな」と語り、カノンさんは「今回は美しい演奏を聴かせてくれたオーケストラのお手柄ですね」と返した。これを聴いた所長はにやけた顔をした。で、側には「オケラ座の怪人 天出臼夫」と活字で切り張りされた封筒が置いてあった。

最初に感じたオチがラストに描かれていたということで、最終的には「やっぱり」と思ったが、別の見方をすると、諸著画がカノンさんに「シェエラザード」のコンサートのプレゼントをしたというようにも考えられるので、カノンさんにとったら、これはこれで良かったということになっていますね。まあ、今月に入って遅刻ばかりしているカノンさんに緊張感を与えるための自作自演劇だったということで委員じゃないかと...

それにしても、以前にも感じたことがあったが、何処かに「ケータイ刑事」のノリと雰囲気を感じた物語でもありました。NHKにはやはりちゃん(黒川芽以さん)のファンがいるのですね...

※ちなみに、本日になりましたが、8/10は所長を演じている筧利夫さんの誕生日です。1962年生まれなので49歳になりました。誕生日おめでとうございます。

 

R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD

R.コルサコフ:シェエラザード

R.コルサコフ:シェエラザード

  • アーティスト: ビーチャム(サー・トーマス),ボロディン,リムスキー=コルサコフ,スタリック(スティーヴン),ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/09/20
  • メディア: CD

R.コルサコフ:シェエラザード

R.コルサコフ:シェエラザード

  • アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),ボロディン,リムスキー=コルサコフ,リムスキー=コルサコフ,グラズノフ,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,シュヴァルベ(ミシェル)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD

R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

  • アーティスト: デュトワ(シャルル),リムスキー=コルサコフ,ロバーツ(リチャード),モントリオール交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/01/13
  • メディア: CD

R.コルサコフ:シェエラザード

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  • アーティスト: ライナー(フリッツ),ストラヴィンスキー,リムスキー=コルサコフ,シカゴ交響楽団,ハース(シドニー)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2002/10/23
  • メディア: CD

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

  • アーティスト: シャイー(リッカルド),ストラヴィンスキー,リムスキー=コルサコフ,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団,ツヴェーデン(ヤープ・ファン)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2003/06/25
  • メディア: CD

 

↓こちらも拾っておきます。

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

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  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)

完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/07/07
  • メディア: 文庫

バートン版 千夜一夜物語11(全11巻) (ちくま文庫)

バートン版 千夜一夜物語11(全11巻) (ちくま文庫)

  • 作者: 大場 正史訳
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2004/08/10
  • メディア: 文庫

アラビアン・ナイト〈上〉 (岩波少年文庫)

アラビアン・ナイト〈上〉 (岩波少年文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/09/18
  • メディア: 単行本


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