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ケータイ刑事銭形零22話(2nd.9話)[裏ネタ編]PART 9 [ケータイ刑事]

銭形零」の第22話(2nd.9話)「ケータイ刑事百回記念特別企画・ウマと呼ばれた男! ~織田信長殺人事件(前編)」の「裏ネタ編」の8回目の増補となる今回は、劇中にで出来た言葉から「南蛮服」について、「面妖な顔」について、「伴天連娘」について、「似絵」について、「成敗」について記します。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/4/24付です。)

南蛮服」:「南蛮」とは、本来は、古代の中国王朝が、(中国の)南方に位置する中国に帰順しない異民族に対して用いた蔑称である。そこから、インドシナ、東南アジアの諸国のことを刺すようになる。更に、日本では、ルソン、シャム、ジャワなどの東南アジア諸国も含むことになり、その土地を経由して、貿易品として入って来たさまざまな品物(ヨーロッパの品々も含む。)のことを指すようになり、それらの品物は当時の日本人には奇異に見えたことから、珍品、医風なものという意味も持つようになった。また、戦国時代にはポルトガルとスペインのことを指し、同時にキリシタンのことも指した。(「南蛮料理」と言うと、キリスト教の影響を受けたポルトガル料理のことを指すので、「ポルトガル(スペインも含む)」という意味も定着している。)但し、料理で「カレー南蛮」や「鴨南蛮」と言った場合の「南蛮」は「葱(ねぎ)」のことを指しているが、これは特別な意味である。

「南蛮服」とは、南蛮の衣服という意味であって、西欧(ポルトガルやスペイン)の人が来ている衣服、則ち洋服のことを指す。但し、当時、日本にやってきた西欧人というと、キリスト教の宣教師たちなどであるため、西欧の衣服と言っても、キリスト教の宣教師が来ている服やキリシタンの服のことを指し、現在の洋服とは内容が異なっている。

また、戦国時代の日本では、和服を着るのが当たり前であったため、和服と異なる衣服は全て奇異なものに見えるため、奇異な服という意味で使われたこともある。

英語では「Western Clothes」、ドイツ語では「Westliche Kleidung」、フランス語では「Vêtements de l'ouest」、イタリア語では「Vestiti Occidentali」、スペイン語では「Ropa Occidental」、ポルトガル語では「Roupas ocidentais」、中国語では「西方衣服」と言う。

面妖な顔」:「面妖」とは、不思議なこと、奇妙なこと、怪しいこと、を言う。よって、「面妖な顔」とは、不思議な顔、奇妙な顔、怪しい顔、と言う意味である。

柴田太郎さんが「面妖な顔の男」と言われたが、それは彼が眼鏡を掛けているからそのように呼ばれることになったものと思われる。というのは、日本に眼鏡が入って来たのはキリスト教を日本に伝えたフランシスコ・ザビエルとされているため、この物語当時の日本では、「眼鏡」と云うものはまだ珍しいものであった。が、柴田さんは眼鏡を掛けているので、(当時の)普通の人には無い顔立ちの特徴があると言うことになる。眼鏡というものが珍しい時代であったので、そのため、眼鏡を掛けている顔である柴田さんの顔は不思議な顔、奇妙な顔に見えるのは当然である。ということで、手っ取り早く「面妖な顔の男」と呼ばれたのでしょう。

ただ、遠目からちゃんと柴田さんが発見された時の姿からは、正体不明であったため、怪しい男だったと判断されるのも当然であるため、怪しい男という意味も掛けているものと思われる。→柴田さんの性格やマニアックな所を考えると、なかなか面白い言い方ですね。

英語では「Strange Face」、ドイツ語では「Seltsames Gesicht」、フランス語では「Visage Étrange」、イタリア語では「Faccia Strana」、スペイン語では「Cara Extraña」、ポルトガル語では「Face Estranha」、中国語では「奇怪的臉」と言う。

伴天連娘」:「伴天連」とは、「破天連」と表記する場合もあるが、本来の意味はローマ・カトリック教会の司祭(聖職の一つであって、境界の儀式や式典を司る役割の人である。地位としては、宗派によって多少の違いがあるものの、ある程度の地位になる。→カトリックでは司教の下位、ギリシャ正教では主教の下位であるが、いずれにしても聖職者である。)のことである。しかし、日本では、キリスト教が日本に入ってきた時は、宣教に従事した司祭の称号として使われた言葉である。そして後にキリスト教のこと自体を指す俗語として使われるようになった。(但し、俗語として使われるようになったのは、秀吉が天下を統一し、1587年に「伴天連追放令」を出した頃からである。→この物語の時代設定は桶狭間の戦いの時であるので1560年であるため、まだキリスト教徒のことを指す俗語にはなっていない。)

よって、「伴天連娘」とは、キリスト教の司祭の娘ということと、キリシタンの娘ということになるが、この物語の時代設定では、「伴天連」はキリシタンのことを言う俗語になる前であったため、前者の意味となると考えるのが普通である。しかし、どう見てもこの物語には司教という存在がいないため、この意味で使われているようには考えられない。→時代劇に時々ある時代背景を十分に考慮していなかった使い方ということで、脚本上の穴と言って良いですね。(同じようなこととして、現代劇で、1970年代を舞台とした物語なのに、1982年に登場したCDが登場しているドラマなどがありました。→特に何というタイトルのドラマであるのかまではここでは言いませんが...)

英語では「Father Daughter」と考えられるが、江戸時代になっていたら「Early Christianity in Japan Daughter」と言ってもよいことになる。また中国語では「伴天連女兒」と言う。

似絵」:「にせえ」と読む。鎌倉時代から南北朝時代にかけて流行した肖像画であって、対象に似せることを目的として書かれた写生的であり、記録的な要素のあるものである。現代風に言うと、写実的な大和絵の肖像画ということになる。

しかし、鎌倉時代も茶雨期以降になると、頂相(ちんそう)と呼ばれる禅宗の僧侶の間で、師が弟子に与える肖像画が盛んになり、似絵は廃れるようになった。

歴史的背景を考えると、信長が五代さんの写真を見て「似絵」と言ったが、信長の時代には廃れていたものを知っていたということでは、凄いと言うことになる。(が、これも時代的背景を無視して「似絵」という言葉を出したのか、「頂相」では僧侶の間に伝えられたものであって、五代さんがということではおかしいということまで考えられてのことなのかは分かりませんが...)

英語では「Likeness」、ドイツ語では「Ähnlichkeit」、フランス語では「Ressemblance」、イタリア語では「Somiglianza」、スペイン語では「Semejanza」、ポルトガル語では「Semelhança」、中国語では「似絵」と言う。

成敗」:元々の意味は「善を成し、悪をまかす敗る」という意味であるが、そこからいくつかの意味が生まれた。「政治を執りおこなうこと」「物事を取りはからうこと」「裁きを下すこと」「懲らしめて処罰すること」若しくは「打ち首にすること」である。某・将軍様が活躍する時代劇のために、4つ目の意味(斬り捨てると言う処罰を与えていますが...)が広く浸透しているのが、本来は、正しい政治を行うという意味である。

1932年に鎌倉幕府(執権の北条泰時)が制定した「御成敗式目」(「貞永式目」と言う場合もある。)の「成敗」は武家政治を行うための法令であって、「成敗」の第一の意味で使われている。

 

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