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「人生劇場」(その11) [映画(邦画)]

「人生劇場」のシリーズから、飛車角をスピンオフさせたシリーズ(全3作品)が'60年代に東映で製作されているので、今回からはそのシリーズ作品について記していきます。この作品全に任侠映画となっているが、基本的には原作小説の「人生劇場」の一部で、スポットを別角度から当てたものである。で、今回はその第1作である1963年の作品についてです。劇場公開は1963年3月であった。

人生劇場 飛車角
作品データを記しておくと、1963年の東映作品で、時間は95分、原作は尾崎士郎、監督は沢島忠、脚本は直居欽哉、撮影は藤井静、美術は進藤誠吾、音楽は佐藤勝である。そして出演は、鶴田浩二、佐久間良子、高倉健、月形龍之介、梅宮辰夫、楠侑子、本間千代子、山本麟一、田中春男、加藤嘉、村田英雄、曽根晴美、水島道太郎、潮健児、久地明、沢彰謙、沖竜次、不忍郷子、北山達也、関山耕司、志摩栄、佐藤晟也、日尾孝司、岡部正純、相原昇三郎、伊藤慶子、たちである。

飛車角と呼ばれている小山角太郎は、横浜の遊女・おとよと共に逃げてきた。彼は小金親分の計らいで、深川の裏町に住むことになる。ある日、小金一家と文徳組は喧嘩になり、親分に対して一宿一飯の義理を持つ飛車角は、宮川と熊吉を連れて文徳一家に殴り込み、文徳を刺し殺した。警察に追われる身となった飛車角は、吉良常と名乗る男に救われる。吉良常は飛車角に惚れこみ、飛車角のために手を打つ。で、小金の弟分・奈良平の計らいでおとよと会い、吉良常の説得で警察に自首をして、5年の刑で前橋刑務所に収監された。おとよは飛車角の帰りを待っていたが、そんなおとよを奈良平が深川不動の夏祭に誘う。その2人の目の前で小金親分が何者かに殺され、奈良平の表情からおとよは総てを察し、逃げ出し、宮川に救われる。そして宮川とおとよ歯同じような境遇であったことから惹かれ合い、結ばれる。が、その後で宮川は、おとよが飛車角の女ということを知り、愕然とする。それからまもなく、飛車角が恩赦で戻って来た。吉良常が飛車角を出迎え、おとよと宮川のことを告げると、飛車角は身を引くことににして、吉良常の勧めるままに吉良へ向かった。吉良で青成瓢吉と知り会いになる飛車角は、吉良で骨を埋めようと決心した。それからまもなく、吉良常が娘のように可愛がっている料理屋の娘・お千代が飛車角を慕うようになる。そんな所に、宮川とおとよが詫びを入れにやって来た。飛車角は何も言わず、2人を許した。数ヶ月後、仁吉まつりの権利をめぐって吉良常はテキ屋の浜勝と争うことになり、飛車角が一人で動き、仁吉まつりには指一本ふれないという証文を取り上げ、浜勝も飛車角の男らしい態度に従うしかなかった。そんなところに熊吉がやって来た。宮川が、小金親分を殺したのが奈良平だと知り、殴りこみで殺されたというのだった。で。飛車角は東京に飛び、奈良常一家は総動員で飛車角を待ち受ける。おとよはそのことを知ると飛車角を止めようとするが、飛車角は「あの世で逢おうぜ」と言うと、決着を付けるために飛び込んでいった。

「人生劇場」の中から、飛車角を主役に描いているとは言っても、スポットライトの当て方が異なっているだけの物語ということになる。これは、飛車角や吉良常という魅力あふれるキャラクターが「人生劇場」の物語にいるということに他ならないのだが、こういう作品も、特に悪いということではなく、他のシリーズ作品と見比べることで違った雰囲気を味わえることになるだけに、良いんじゃないですかね。

 

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