ALICE『ALICE Ⅳ』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1975年5月に発表されたカレラの4枚目のスタジオ・アルバムである。前作からは1年5ヶ月ぶりということになったが、'74年にはライヴ・アルバムを発表していることもあって、それほど「ご無沙汰」という感じにはなっていない。また、本アルバムはオリコンで最高位20位を記録して、彼らもようやく知られるようになった。
収録曲は以下の全12曲である。『黒い瞳の少女』『生きているから』『甘い夢』『レンガ通り』『恋は風車のように』『やさしさに包まれて』『ポイント・アフターの夜』『人生の道』『想春賦』『太陽に背を向けて』『シベリア悲話』『彷徨』。
尚、本アルバムからはシングル曲はリリースされていない。(先にリリースされていたシングル曲も収録していない。)
お薦め曲は映画主題歌として使われた『黒い瞳の少女』と『恋は風車のように』、そして『やさしさに包まれて』『人生の道』『想春賦』『彷徨』という所をピックアップしておく。
前作とは打って変わって、全曲が彼らの作による楽曲になり、初心に返ったようなほのぼのとしたサウンドが帰ってきたのが本アルバムである。ただ、単に初心に返っただけでなく、ある程度完成していたスケールの大きさという所もリセットしてしまったようで、そういう所まで初心に返ったようで、アルバムとしての完成度と言うことでは今一つ纏まりが悪いということも感じてしまうアルバムでもある。
とはいっても、瑞々しい世界観を取り戻したということは大きなポイントであって、本アルバムのリリースの二ヶ月前にリリースされたシングル『紫陽花』という名曲をこなせるようになった彼らがブレイクするのは時間の問題ということになったのも事実である。
尚、ブレイク直前のアルバムであるが、過去の3枚のアルバムよりもマイナーな印象があるのも事実である。この点では不遇のアルバムと言うことになるが、それだけ地味なアルバムでもある。が、それでも彼らの曲を聴く場合は外せないのは言うまでも無い。ほのぼのと、そっと聞いてみるというのも良いところである。
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