「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その236) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「解毒剤を求めて」です。(言うまでも無く、「毒」に対する解毒剤をということです。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「泪・2nd.4話」、「007」からは「カジノ・ロワイヤル」です。
「ケータイ刑事」:「泪・2nd.4話」。「高村刑事、絶体絶命! ~正しい日本語殺人事件」という物語。泪ちゃんと高村さんの息の合ったコンビぶりと、泪ちゃんの本物の涙が見られる、ということで、見所満載の物語であって、傑作の1本として知られている物語である。尚、本放送は2004/4/25であった。
誤った日本語を使った書道家、人気作家、アナウンサーが次々と殺され、いずれもが死の5時間前に会っていたという万葉大学の言霊名誉教授に事情を聴きに行った泪ちゃんと高村さん。名誉教授た誤った日本語を使う輩を許すことが出来ず、簡単に犯行を認めた。が、その席で高村さんは、英語混じりの日本語を使い、名誉教授はそのことで腹を立て、高村さんに出されたお茶に、これまでの被害者と同じ毒(「刻命丸」)を盛られてしまった。
で、あと5時間で高村さんは確実に死ぬが、名誉教授は高村さんと賭けをして、されに高村さんが勝てば解毒剤を渡す、と約束した。で、それは午後6時までのこれから4時間の間、高村さんを名誉教授の監視下に置き、その間に一度も外国語を使わなかったら命を助ける、というものだった。(「4時間の外国語禁止令」)泪ちゃんは、時間まで一言も口を聞かなければいい、とアドバイスし、高村さんも「そうか」と納得し、勝負が始まった。
が、そんな時に限って、新たな事件を知らせる入電が入った。泪ちゃんは1人で捜査する、と言うが、名誉教授はそれを認めず、泪ちゃんを大学に残し、高村さんが現場に向かうことになった。
事件は外国人タレント事務所・ガイタレの社長・塩川千代吉が殺されたというもので、容疑者は第一発見者であり、いずれもがその事務所に所属する外人タレントの3人だった。高村さんは「日本語、しゃべれるよね?」と確認するが、3人とも日本語に疎かった。名誉教授の監視の目がある限り、外国語は使えないと言うことで困ってしまった高村さん。
しかし、高村さんのことを心配した泪ちゃんから電話が入る。TV電話で状況を伝え、ダイイングメッセージや殺害状況から泪ちゃんが推理する。そんな泪ちゃんは、3人の容疑者の名前を尋ねるが、外人の名前も外国語と言うことで、高村さんはゼスチャーで3人の名前を伝え、ゼスチャー・ゲームで悪戦苦闘の末、3人の容疑者の名前(マイケル、ダイアナ、ジニー)を伝えた。→この時、泪ちゃんは「妹」と言われ「どっちの?」と返したことで、泪ちゃんの下には2人の妹がいることが判明した。(この物語の時点では、三女・舞ちゃんは分かっていたが、四女・零ちゃんはまだ名前が出ていなかった。)
で、ダイイングメッセージと状況から、泪ちゃんは推理をして、犯人を見抜き、トリックも説明し、真犯人のジニーを逮捕し、事件は解決した。が、名誉教授は高村さんが外国語を口にしなかったことで、はらわたが煮えくり返ったような表情を見せていた。
大学に戻ってきた高村さんと名誉教授。時刻は6時になろうとしていて、「さん、に、いち、ぜろ」とカウントダウンし、6時まで高村さんは外国語を口にしなかった。で、賭けは高村さんの勝ちになった。で、名誉教授は解毒剤を取りに行った。
しかし、30分しても名誉教授は戻ってこない。で、様子を見に行くと、名誉教授は首を吊っていて、「解毒剤は絶体に渡さない」と書かれた紙も発見された。高村さんの命はあと30分弱ということで焦るが、泪ちゃんが「謎は解けたよ、ワトソンくん」から、名誉教授を殺害した犯人(=助手)を逮捕した。
残り時間が少ないということで、解毒剤のことを尋ねると、金庫の中にあるという助手。しかし金庫を開けるには暗証番号が必要であり、それは名誉教授本人しか知らないということだった。
泪ちゃんは必死になって手掛かりを探りながら6桁の数字の暗証番号を入力するが、どれもが間違っていた。時刻は刻一刻と午後7時を迎えようとしており、高村さんは息苦しさを感じるようになっていた。
泪ちゃんは「死んじゃいや~」と泣きながら、必死に暗証番号を探り、金庫を開けようとする。しかし、正しい暗証番号は分からない。そんな中、名誉教授の著書「正しい日本語の使い方」という本の帯にある「言霊夏悟朗」という文字を目にした泪ちゃんは閃き、「507256」と暗証番号を入力したら金庫は開いた。(この数字は言霊夏悟朗(ことだま・なつごろう)名誉教授の名前の語呂合わせだった。)
急いで中にあった解毒剤の「延命水」を手にした泪ちゃんは、急いで高村さんの所に向かい、高村さんに解毒剤を飲ませた。が、高村さんは反応しない。涙ながらに「お願い、目を開けて...」と繰り返す泪ちゃんだったが、高村さんは反応しない。遂に「高村さん!!!」と泣き崩れながら叫ぶ泪ちゃん。そんな泪ちゃんの目から一粒の涙が高村さんの目尻に落ちた。すると、ゆっくりと高村さんの瞼が動いた。それに気づいた泪ちゃんは「高村さん!」と叫んだ。すると「また嘘泣き?」と高村さんは命を取り留め、「良かった...」と泣きながら高村さんに抱きつく泪ちゃんだった。
「007」:「カジノ・ロワイヤル」。2006年のシリーズ第21作であって、6代目ボンドのデビュー作である。本作は、I・フレミングの原作小説では最初に記された作品であって、ボンドが00要員に昇格したばかりの物語、則ち、一連の作品の中ではボンドが最もキャリアの浅い時期の物語である。そういう作品をシリーズ第21作に持ってきたことになったが、過去の映画シリーズ20作での設定をリセットして、ボンドも6代目にして、新たにシリーズをスタートさせた作品となった。
世界のテロリストや犯罪組織などの資金を預かって、それ運用することを行っていたル・シッフルは運用に失敗し、穴を開けてしまった。で、その穴を取り戻すため、モンテカルロのカジノ・ロワイヤルで行われる大勝負に挑む。また、MI-6はそこでル・シッフルとの勝負に勝ち、ル・シッフルにトドメを刺す作戦を立て、ボンドがその任務を受けた。が、その勝負にボンドが負ければ、MI-6からル・シッフルを経て、テロリストたちに資金が提供されることになってしまうため、絶対に負けられない勝負であった。
ボンドだけではなく、CIAはフィリックスを参加させるなど、兎に角、ル・シッフルを潰す作戦として大々的に人員が投入されていた。ボンドはポーカーのトップ・プレイヤーとしてその勝負に参加し、国家財務委員会から派遣されたヴェスパー(=ボンドガール)がボンドの監視役(表向きであって、実は彼女も極秘任務にあった。)となった。
それぞれの思惑が絡む中、カジノ・ロワイヤルに集まったプレーヤーたち。全員に対して、勝った場合の賞金を振り込む口座番号と暗証番号を入力させ、ポーカー勝負が開始された。
ボンドは腕の良さを示して、少しずつ勝っていき、まもなくル・シッフルのくせに気づいた。で、一気に勝負に出ようと考えた。が、ル・シッフルも簡単に負けるようなことはしなかった。ボンドが勝負に出たが、それはル・シッフルの仕掛けた罠であり、ボンドは敗れてしまった。
休憩が入り、それぞれの控え室に戻るプレーヤーたち。が、その時、ル・シッフルは、金を返せと迫っていた組織に襲われた。勝負に勝って金を返すということで、とりあえずは難を逃れるが、勝負に負けた場合には殺されるのは確実だった。
休憩が終わり、勝負が再開される。ボンドは再び勝ち始めていき、先ほどの負けを取り戻していた。が、ル・シッフルも確実に勝っていて、チップを増やしていた。ル・シッフルに取っ手は絶対勝たなければならない勝負であって、どんな手を使ってでも勝ってくる相手を潰さなければならない。ということで、今度はボンドに届けられたカクテルに毒を盛っていた。そんなこととは知らないボンドは、そのカクテルを口にして、毒が盛られていることに気づいた。すると、直ちに中座して、緊急医療セットを備えているボンドカー(アストンマーチンDBS)に向かった。(駐車場に駐めてあった。)
何とか車に辿り着いたボンドは解毒処理を行おうとする。MI-6の本部もボンドの行動を監視していて、毒を盛られたことは直ぐに伝わったため、解毒処理についての指示もボンドに伝えられる。必死にボンドは指示に従って解毒処置を行おうとするが、意識が次第に遠のいていく。そんなこともあって、身体に電極を正しく取り付けられず、蘇生ボタンを押しても電極が正しくセットされていないため正しく動作しない。更に意識が遠のいていくボンドは、これまでかと言うところに、ヴェスパー(=ボンドガール)が駆けつけて、彼女の助けによって電極が正しく取り付けられ、解毒に成功したボンドは蘇生されて助かった。
その後、再びカジノ・ロワイヤルに戻り、勝負を続け、遂にル・シッフルとの間で1億ドルを超える最後の大勝負を迎え、ボンドが勝負に勝ち、何とか任務を果たした。
共通点は、毒を盛られたのは男であること(「ケータイ刑事」では主人公のパートナーの高村さん、「007」では主人公のボンド自身)、飲み物(「ケータイ刑事」では玉露のお茶、「007」ではカクテル)に毒を盛られたと言うこと、解毒の処置を行うのに女のパートナー(「ケータイ刑事」では主人公の泪ちゃん、「007」ではボンドガールのヴェスパー)が尽力したこと、および彼女のお陰で助かったということである。
一方相違点は、「ケータイ刑事」では独特の毒(「刻命丸」)と解毒剤(「延命水」)が用いられたが、「007」では一般的に知られているジギタリスの毒が盛られ、それに対する解毒剤と救命方法は現実の対処方法として確立している方法が使われていると言うことである。
尚、「ケータイ刑事」と「007」の共通点としては、「007」の方が時間的に先に製作されていて、「ケータイ刑事」の方が後から製作されているということが多が、この一件に関しては「ケータイ刑事」の方が時間的に先であるため、「007」の方が「ケータイ刑事」を真似たと言うことになる。(が、日本のBSでの放送とイギリス製作ということでは、アイデアが似てしまったということであって、やはり「驚くべき類似点」ということになる。)
次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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