ALICE『ALICE Ⅸ 謀反』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1981年7月に発表されたの9枚目のスタジオ・アルバムである。前作から11ヶ月ぶりのアルバムであり、同時にメンバーのソロ活動の活発化に伴って、バンドとして活動停止になる前の最後のスタジオ・アルバムでもある。(後に活動を再開して、新作を発表していますが...)これまでのアルバムは、タイトルがローマ数字の数字だけだったが、本アルバムでは初めて副題が付いたのも特徴であった。オリコンでは最高位3位を記録するヒットになっている。
収録曲は以下の全11曲である。『ウェルカム』『ライブラ』『荒ぶる魂(ソウル・オン・バーニング・アイス)』『サイレント・マン ~静かなる男』『ムーン・シャドウ』『ハドソン河』『マリー・ダーリン』『I. C.ワールド』『キャット・イン・ザ・レイン』『エスピオナージ』『風は風』。
この中からシングル・カットされたのは1曲で、本アルバムのリリースの一ヶ月前にシングルとしてリリースされた『エスピオナージ』である。(彼らの20枚目のジングルでした。)オリコンでは最高位15位を記録している。
お薦め曲は、シングル曲の『エスピオナージ』と『荒ぶる魂(ソウル・オン・バーニング・アイス)』『ムーン・シャドウ』『マリー・ダーリン』、8分近い大作で、この曲によって幕を下ろすことになる『風は風』をピックアップしておく。また、『ウェルカム』はいつものチンペイ・ペーヤンというコンビが絡んでいない曲と言うことで、別の意味で注目の曲であるということを付け加えておく。
捨て曲はなく、完成度が高く、正に完璧と言って良いアルバムである。緩急もあり、エネルギッシュな曲から、じっくりと聴かせる曲まで、まさに縦横無尽に彼らのクオリティの高いサウンドが集まっているアルバムとなっている。
本アルバムは、余りにもその完成度が高いだけに、「次のアルバムはどうなるの?」と(発表当時に)思ってしまう程のものであったが、その回答が「活動停止」ということだったことを思うと、正に彼らの集大成として、本当に最高のものを完成させ、偉業を達成したことの充足感というものも十二分に伝わったアルバムでもあった。(グループとして傑作アルバムを完成させ、ソロ活動へというのは自然な動きである。)
彼らのアルバムを聴く上でも、一つの節目になったアルバムであるだけに、絶対に聴いておかなければならないアルバムであるのは言うまでも無いが、聴かないと損をするというほどの内容のある傑作アルバムである。じっくりと聴きましょう。
コメント 0