ALICE『ALICE Ⅹ』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1987年12月に7年5ヶ月ぶりに発表された彼らの10枚目のスタジオ・アルバムである。前作発表後、活動を停止した彼らが再結成し、待望のニュー・アルバムということになった。7年ぶりのアルバムであるが、オリコンで最高位11位を記録するヒットになって、「ALICE」の人気が衰えていないところを示すことになった。
収録曲は以下の全10曲である。『さよならD.J.』『BURAI(無頼)』『アガサ』『平凡』『テーブルという名の海』『4月の魚』『穏やかな月』『心の場所』『19の時』『セントエルモスの火』。
この中からシングル・カットされたのは『BURAI(無頼)』である。オリコンでは最高位38位を記録していて、アルバム・リリースの一週間前にシングルとしてリリースされ、彼らの21枚目のシングルとなった曲である。
お薦め曲は、シングル曲の『BURAI(無頼)』、そのB面曲だった『アガサ』、更に『4月の魚』『心の場所』『セントエルモスの火』という所をピックアップしておく。
バンドとしては7年というブランクがあるものの、それぞれのメンバーはソロで活動していたため、音楽的なブランクは一切無いので、音楽的なことでは以前よりも円熟味が増している。また、部分的に見られたマンネリ感も完全に無くなっていることもあって、新たな魅力が加わったアルバムになっている。また、従来のスタイルそのままという所も残っているのは、かつて彼らのサウンドに親しんだ者としては嬉しい所でもある。
その一方で、再結成後の活動が一時的なものであって長く続いていないことに関しては不満もあるが、長々とやっていればよいというものでもなく、ある時期に集中しての活動の方が内容的に濃いものが出来ることが多いこともあって、これはこれで宜しいかと。
以前のファンも、新しいファンも、その両方とも堪能できるアルバムであるだけに、しっかりと聴いておきたい所である。
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