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「L' ARGENT」 [映画(洋画)]

表題の作品は1983年のフランスとスイスの合作映画「ラルジャン」である。日本での劇場公開は1986年11月であった。L・N・トルストイの原作をR・ブレッソン監督が翻案した作品であり、彼の商業映画としては最後の作品である。(本作製作時には80歳を過ぎていた。また、1984年にドキュメンタリー作品を製作しているので、遺作ではない。)カンヌ映画祭で監督賞を受賞した作品である。偶然、偽札を握らされたことから転落していく様を描いた作品である。

作品データを記しておくと、時間は85分、原作はレオ・N・トルストイ、監督と脚本はロベール・ブレッソン、撮影はエマニュエル・マシュエルとパスクァリーノ・デ・サンティスの2人、音楽はJ・S・バッハの『半音階的幻想曲とフーガ、ニ短調BWV903』ょ使用している。そして出演は、クリスチャン・パティ、カロリーヌ・ラング、バンサン・リステルッチ、マリアンヌ・キュオー、マルク・エルネスト・フルノー、ブリューノ・ノペール、ベアトリス・タブーラン、ヴァンサン・リステルッチ、シルヴィー・ヴァン・デン・エルセン、たちである。

パリ、高校生のノルベールは、父親にお金をもらおうとして断られたことで借金を返せなくなり、クラスメートのマルシアルに相談する。するとマルシアルはノルベールに500フラン札を渡した。が、それは偽札だった。ノルベールはそれをカメラ屋で安い額縁を買うのに使い、女主人から釣り銭を得た。店は痕になってそれが偽札と言うことに気づくが、ガソリンの集金に来た若い店員・イヴォンに、その偽札を使って支払いを行った。偽札と知らないイヴォンはそのお札をカフェで朝食を食べたときに使うが、偽札と言うことに気づかれて警察に通報されてしまう。イヴォンは警察で事実を話し、カメラ店に刑事と行くが、主人はイヴォンを知らないと言い、偽札犯として獄中に繋がれる。更に若い店員・ルシアンの偽証があったことで、彼は有罪になってしまう。幼い娘と妻・エリーズがいたイヴォンは執行猶予になったが失職し、その恨みを晴らそうとして銀行強盗に加わり、再び逮捕されてしまい、3年の懲役刑を喰らうことになった。出獄したら出直すと言うイヴォンだったが、エリーズは黙って去っていった。その頃、ルシアンは次々と強盗を重ねていたが、逮捕され、イヴォンと同じ刑務所に送られてきた。イヴォンに脱獄を持ちかけるルシアンだったが、イヴォンはそれには乗らなかった。しかし、ルシアンは脱獄していった。イヴォンは刑期を終えて出獄するが、世の中に復讐することを決めていた。娘は病死、妻も自殺したことで、イヴォンにはもう何も無かった。で、安ホテルに泊まったイヴォンは、その主人夫婦を殺害して金を奪った。更に、町で目のあった老婦人の後をつけ、婦人の世話を受けることになる。イヴォンは殺人を告白するが聾唖人は驚きの表情を一切見せなかった。夜。イヴォンはその一家を次々と殺害し、老婦人から金を奪った。カフェでイヴォンは、居合わせた警官に、これまでの殺人を告白していた。

本作はR・ブレッソン監督作品らしいものであって、彼の作風ほ理解していないと、とても見るに堪えない作品になってしまうでしょうね。そもそも彼は自身の作品を「シネマトグラフ」と呼んでいて「映画」とは違うものとして語っていただけに、普通の映画を見るつもりでいては彼の作品にはついて行けなくなってしまうのも当然である。また作品としても難解な部分もあるため、「映画」として本作を捕らえようとするのであれば、そのまま素通りした方が宜しいんじゃないかと...

普通の作品ではない作品に触れたいという方が、それなりの覚悟をして見た方が良い作品であって、覚悟が出来ていなければ見ない方が良いですね。まあ、見る人を選ぶ作品であって、様々な映画を見ている方は必見、娯楽映画を中心として見るという方はパスした方が無難である。

 

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