YMO『増殖』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年6月に発表された彼らの4枚目のアルバム(3枚目のスタジオ・アルバム)である。同年2月にライブ・アルバムがリリースされ、それが好評だったことで、もう1枚ライブ・アルバムをリリースすることを要望されたが、それを拒否して製作されたのが本アルバムである。元々、ミニ・アルバムという位置づけだったが、予約の段階で好評だったことで、通常のアルバムということになったものである。そのため、やっつけ仕事の様な印象もあるのも事実である。それでもオリコンで1位を獲得している。
収録曲は以下の全12曲である。『JUNGLE "Y.M.O."』『NICE AGE』『SNAKEMAN SHOW』『TIGHTEN UP (JAPANESE GENTLEMEN STAND UP PLEASE)』『SNAKEMAN SHOW』『HERE WE GO AGAIN ~TIGHTEN UP』『SNAKEMAN SHOW』『CITIZENS OF SCIENCE』『SNAKEMAN SHOW』『MULTIPLIES』『SNAKEMAN SHOW』『THE END OF ASIA』。
この中からシングル・カットされたのは『TIGHTEN UP 』である。が、1980年12月のリリースであったため、本アルバムからのシングル・カットという印象は薄い。尚、オリコンでは最高位43位を記録している。
お薦め曲は『TIGHTEN UP 』と『JUNGLE "Y.M.O."』『NICE AGE』『THE END OF ASIA』をピックアップしておく。また、5つのトラックにわたる『SNAKEMAN SHOW』もじっくりと楽しみたい所である。で、スネークマン・ショー関係のものや、アメリカでのリリースに絡んでいたものなど、馴染みのある曲/トラックがあるので、ワクワクする内容となっている。
本アルバムは、リリースされた時は10インチ(25cm)のアルバムとしてリリースされたため、収録時間が短い(29分強である。)のは仕方の無い所である。(短期間でアルバムを製作することになったため、曲が揃わなかったことを逆手に取った10インチ・アルバムでした。)が、「10インチ・アルバム」というものが珍しいものであるため、本アルバムのLPバージョンは希少価値のあるもので、コレクター心を喜ばせてくれるものである。が、収録時間が30分弱ということがCD化されたことで、「不景気レコード」という印象を与えることになってしまったのは残念なところである。この点で、もう一工夫して貰いたいと思うところである。(10cm-CDなんてことは意味が無いのは言うまでもないが、アナログの時のようにコレクターズ・アイテムになり得る要素が欲しい...)
が、音楽的な点では斬新な彼ららしい所が満載であり、たっぷりと楽しみたいところである。
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