YMO『テクノデリック』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1981年11月にリリースされた彼らの6枚目のアルバム(5枚目のスタジオ・アルバム)である。現在では珍しくなくなって、氾濫しているサンプリングを導入するという新しい試みを行っている一方で、アコースティック楽器や様々な物の生の音を取り入れるという試みをするなど、かなり大胆な音作りをしているアルバムである。が、それでいてテクノっぽい所とポップな所もある特異なアルバムになっている。それでもオリコンで最高位4位を記録するなど、大ヒットを記録している。
収録曲は以下の全10曲である。『ジャム(PURE JAM)』『新舞踊(NEUE TANZ)』『階段(STAIRS)』『京城音楽(SEOUL MUSIC)』『灯(LIGHT IN DARKNESS)』『体操(TAISO)』『色(グレイ)の段階(GRADATED GREY)』『手掛かり(KEY)』『前奏(PROLOGUE)』『後奏(EPILOGUE)』。
この中から、1982年2月になって『体操』がシングル・カットされている。B面曲は『手掛かり』であった。
お薦め曲はシングル曲の『体操』と、独特の世界を構築している『新舞踊』『京城音楽』『後奏』と、『灯』『階段』をピックアップしておく。
兎に角、斬新なサウンドであって、現在では「テクノ」とは呼ばず、細分化された別の名前で呼ばれるサウンドであるが、当時は「テクノ」の一つとして、こういうサウンドもあるということを強く感じさせたものである。しかも、機械的なサウンドに走るのではなく、アコースティック楽器(それも身近にあるギターなどではないところが驚くところでもあった。)を融合させたサウンドは、流石は新しいサウンドを生み出してきたYMOらしい所を出している。ただ、当時にしては少し早すぎて理解されない所も合ったのも事実であった。
が、現在では本作で試みられた手法も一般化していて、特にサンプリングに関しては氾濫しすぎという状況になっているだけに、聴きやすいものになっているでしょう。それだけに、音楽的なことだけでなく、その手法を含めて、しっかりと聴いておきたいアルバムの一つである。また、最近のサンプリングの多様にはうんざり気味という方でも、逆に新鮮さを感じられることでしょうし...
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