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「CASUALTIES OF WAR」 [映画(洋画)]

表題の作品は1989年アメリカ映画「カジュアリティーズ」である。日本での劇場公開は1990年2月であった。ベトナム戦争で実際に起きた事件を題材にしたドラマである。

作品データを記しておくと、時間は114分、原作はダニエル・ラング、監督はブライアン・デ・パルマ、脚本はデヴィッド・レーブ、撮影はスティーヴン・H・ブラム、音楽はエンニオ・モリコーネである。そして出演は、マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーヴェイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ、ツイ・ツウ・リー、エリック・キング、サム・ロバーズ、デイル・ダイ、ヴィング・レイムス、ドナル・ギブソン、ジャック・グワルトニー、マリス・ヴァライニス、ダン・マーティン、たちである。

1974年、ヴェトナム帰還兵のエリックソンは、電車に乗っていた。そして、向かいの席に座っているアジア人女学生の姿を見た、ベトナムでの出来事を思い出した。

時は1966年、新兵としてベトナム戦争の戦場にいたエリックソン。ある夜。彼の所属する小隊は、中央ベトナム高地の偵察を命じられた。出発前に、小隊のミザーヴは、ベトナム人の少女を掠ってレイプしようと言っていて、実際に、彼らがであった若い娘・オアンを誘拐した。そして、エリックソンを除く4人の仲間たちである、ミザーヴ、クラーク、ハッチャー、ディアズは彼女をレイプした。エリックソンはそんな彼女をいたわることしか出来ず、仲間が留守の間に逃がしてやろうとするが、失敗した。小隊はオアンを連れて偵察を進め、やがて対岸に北ベトナム軍の陣地のある河に達した。銃撃戦が起こり、激しくなる中、彼らは誘拐と暴行の証拠を消すため、ミザーヴ軍曹の命令でオアンは射殺された。やがて、基地に戻ったエリックソンは、一連の事件を軍の上層部に訴えたが、上官たちはそれを相手にしなかった。逆に、ミザーヴたち4人はエリックソンを消そうとした。で、エリックソンは事件のことを軍の牧師に訴えた。それによって軍はエリックソンの訴えを取り上げて、事件は正式に調査をされることになった。やがてミザーヴ軍曹たち4人は軍法会議にかけられて、刑期を科せられたのだった。

電車は止まり、エリックソンは我に返った。彼の向いの席に座っていた女学生は下車し、エリックソンも下車した。そして、目の前の平和な景色に心が和むのだった...

実話を元にした作品ということであるが、主演がマイケル・J・フォックスということで、どうしても本作のようなシリアスな作品には合っていないように感じてしまう。(彼というと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの印象が強すぎる。)シリアスな作品に挑戦して頑張っているが、どう転んでもイメージが...

また、デ・パルマ監督の演出も本作の雰囲気とは少し違っていて、サスペンス的な演出はボタンがずれているようにしか感じられない。

ということもあって、コメディとまでは言わないが、ずれた感覚のある作品になってしまったが、'90年代以降の映画界を支えることになる様な顔ぶれが出演しているなど、別の所では注目される所がある作品でもあるため、チェックだけでもしておきたい1本である。

 

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