「CHAINED HEAT」

表題の作品は1983年のアメリカと西ドイツの合作映画「チェーンヒート」である。「女囚もの」というジャンルの作品かあるが、本作はそのジャンルの作品の一つであり、「エクソシスト」でお馴染みのL・ブレア主演の女囚ものである。「エクソシスト」の後は冴えない状態が続いていたL・ブレアのキャリアの中で、数少ない当たった作品でもある。但し、ゴールデンラズベリー賞のワースト主演女優賞にノミネートされるということにもなりましたけど...

作品データを記しておくと、時間は98分、監督はポール・ニコラス、脚本はポール・ニコラスとヴィンセント・モンゴルの2人、撮影はマック・アールバーグ、音楽はジョセフ・コンランである。そして出演は、リンダ・ブレア、ジョン・ヴァーノン、シャロン・ヒューズ、ヘンリー・シルヴァ、シビル・ダニング、ステラ・スティーヴンス、タマラ・ドブソン、モニーク・ガブリエル、ニタ・タルボット、マイケル・カラン、ルイーザ・モリス、たちである。

普通の少女キャロル・ヘンダーソンは自動車事故による殺人のため、懲役18ヶ月を宣告されて、ある女子刑務所に収監された。その刑務所は、看守長のテイラーが仕切る麻薬売買、レイプ、売春が横行していた。また、所長のバックマンも独自の麻薬組織を有していて、囚人たちを監視していた。所長は自分の麻薬組織以外に別の組織があることを感じていて、それを女囚のデビーに命じて探らせようとした。そんな中、デビーは「タレコミ屋」という言葉が囁かれる中、ピアノ線で首を切られて死んだ。所長は、その責任をテイラーに押しつけた。テイラーは女囚のボス的な存在のエリカを使って刑務所内を仕切ろうとしていた。で、エリカは新入りのキャロルに接近する。一方、デビーを失った所長は、キャロルに目を付けて、彼女をデビーの後任としてスパイをやらせようと考えた。そんな中、エリカに反目する黒人囚の1人が白人囚に剃刀で切りつけられて死ぬという事件が起こる。また、キャロルは刑務所の外に連れて行かれて、売春婦としてあるパーティに出席させられた。刑務所に戻ったキャロルは、便所で黒人囚が復讐したスパイダーの死体を発見したことで、所長室に駆け込んで、今日の体験を全て語った。所長は情報を聞き出すとキャロルを強姦した。一方、テイラーは邪魔な所長を消すことを考えていて、所長室のバブルバスで女囚を強姦している所を殺し、それを邪魔な存在になりつつあったエリカに罪をなすり付けた。所長の死は自己と判断され、テイラーは所長代理に収まった。一方、所長の悪事の証拠となるビデオを手に入れたキャロルは、新しい所長が来たら環境は改善される、と言って、暴動補起こすことを囚人たちに呼びかけ、みんなはそれに同意して暴動が起こった。独房に入れられていたエリカを救出、更に彼女に反目していた黒人囚のボス的存在のダッチェスも強力し、キャロルは所長が殺されるところを収めたビデオを入手した。テイラーはそれを取り戻そうとするが、刑務所の壁から転落して死亡した。更に、テイラーの元で動いていた一味たちも、暴動を鎮圧しに来た保安官に逮捕されたのだった。

本作の評価は、実は真っ二つに分かれている。所詮はB級作品の範疇とする意見と、B級であることを承知の上で、「女囚もの」というジャンルに求められるお楽しみを網羅していること、主人公のキャロルの変化などがツボとして絶賛する声とに分かれている。ただ、「エクソシスト」の後は完全に低迷していたL・ブレアが大人になって、体当たりで演じているところは、本作の宣伝文句にもなっていて、この点で「女囚もの」としては十分な出来となっている。

まあ、特定ジャンルの作品であるため、万人向けとは言えないが、L・ブレアの「エクソシスト」と並ぶ代表作（作品の書くと言うことでは雲泥の差がありますけど...）であることだけは変わらない作品である。

 

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