イルカ『イルカの世界』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1975年3月に発表された彼女のソロ・デビュー・アルバムである。それ以前はシュリークスに1970年に参加し、まもなくシュリークスは男女デュオとして活動を続け、結婚しても活動を続けていたが、彼女がソロに転向することで、シュリークスは活動停止して、夫は彼女の音楽プロデューサ兼マネージャーになったことで知られている。本アルバムは彼女の持ち味が出ているアルバムである。
収録曲は以下の全13曲である。『ヨオコソ』『冬の忘れ物』『春』『風にのせて』『しあわせの国へ』『あいつ』『シルエット』『想い出の駅前広場』『つめたい広場』『ともだち』『陽だまりの中で』『いるみねいしょん』『おやすみなさい』。
この中からシングル・カットされたのは『風にのせて』である。(B面曲は『陽だまりの中で』であった。)尚、ソロ・デビュー・シングルの『あの頃のぼくは』は収録されていないが、そのB面曲だった『春』が収録されているのは面白い所である。
お薦め曲は、シングル曲の『風にのせて』、それ以外からは『春』『しあわせの国へ』『シルエット』『ともだち』『陽だまりの中で』をピックアップしておく。
ジャケットを含めて、本アルバムは全体がメルヘンチックに纏まっていて、彼女の独特の世界が構築されている。それは優しさにあふれた世界でもあって、心を癒してくれるサウンドでもある。
彼女は本アルバムのあとに、シングル『なごり雪』を発表して大ヒットさせることになる。(伊勢正三のカヴァーであるが、彼女のヴァージョンが大ヒットしたことで、彼女のオリジナル曲というように思われている所があるほど、有名な曲になっている。)そのため、ブレイク前のアルバムとしては本アルバムだけと言っても良いが、彼女の独特の世界観は変わっていない。そのため、特に戸惑うことも無く、安心して聴くことが出来るアルバムである。じっくりと鑑賞しましょう!
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