「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その268) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「凶悪殺人犯」です。(一応、設定として「凶悪殺人犯」と言うように記されているので、そのままその名称を使うことにしました。)取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「雷・2nd.10話」、「007」からは「ロシアより愛をこめて」です。
「ケータイ刑事」:「雷・2nd.10話」。「帰ってきたアイツ! ~銭形雷襲撃事件」という物語。この物語には、「泪・2nd.12話」に登場した犯人の妹と、「雷・1st.11話」の冒頭に登場した男とが登場していて、全く関係ない独立した物語のそれぞれの続編的な物語ということになっていて、一筋縄に行かない「ケータイ刑事」らしい物語となりました。
「雷・1st.11話」の冒頭で、殺人容疑で逮捕された凶悪殺人犯・田沢孝治は「日本のアルカトラズ」と呼ばれている赤坂刑務所に収監されていたが、そこから脱獄した。(田沢の犯罪歴としては、港区赤坂通り魔暴行事件、美人婦警板敷輝美暴行事件、ドリマックス社長夫人誘拐事件、小板洋司さん一家誘拐事件、映画監督村上賢司監禁事件、竹安商会社長暴行軟禁事件、丹羽銀行赤坂支店3億円強奪事件、アイドル小出早織ストーカー事件、記録浦川友紀スッピン盗撮事件、スーパー丸尾毒物混入事件がある。)そして、警視庁に潜入していて、雷ちゃんを狙っていた。
一方、その雷ちゃんは、町中で予言者・早乙女波江(さおとめ・なみえ)という女に声を掛けられ、今日中に殺される、と言われた。波江は「今日一日、私の側を決して離れないで下さい。そうすればまだ助かる道は...」と言い、予言を見届け目として、雷ちゃんの側に付いた。
警視庁に戻った雷ちゃんに、田沢から電話が入り、会いに来ると言う。逆探知でその電話の発信元が警視庁ということが分かり、雷ちゃんたちの間には不安の空気が広がる。更に、その時、警報ベルが鳴り響き、警視庁に侵入者あり、ということで警戒態勢が敷かれた。
雷ちゃんは、海外視察で現在不在だったおじいちゃまでもある銭形警視総監の部屋に避難した。(そこに移動する途中、波江はお札を貼りまくっていた。)そこは窓は全て防弾ガラスであって、部屋の表には武装した機動隊員たちが守っていて、「絶対に安全な場所」だった。(雷ちゃんがそう言っていました。)
すると、講内放送スピーカーから田沢の声が流れてきた。高村さんは直ちに通信室に向かって田沢を逮捕しようとした。で、柴田さんと共に向かい、警視総監室には雷ちゃんと波江の2人だけになった。
通信室の前にやってきた高村さんたちは、そこに一人の制服警官が倒れているのを発見し、声を掛けた。警官は先方を指さして田沢が逃走していったことを告げた。柴田さんがそのことを連絡しようとした。その時、警官が消火器を手に持って高村さんの背後に近づき、それを振り下ろしたことで、高村さんは気絶してしまった。その警官は田沢が化けていたのだった。
警視総監室にいる雷ちゃんと波江。波江が入れたお茶を口にすると、波江が苦しみだした。雷ちゃんは医務室に連れて行こうとするが、波江はそれを制止した。で、医務室の医師が警視総監室に来ることになった。が、連絡を受けた医師は田沢に背後から襲われた。
高村さんが意識を取り戻すと、田沢が警官に化けていることを雷ちゃんに連絡した。で、絶対にドアを開けちゃダメ、と伝えられた。その直後、ドアをノックする音がした。表には白衣の男が立っていて「解毒剤をお持ちしました」と告げた。これに雷ちゃんは閃き、ドアを開けず、波江に声を掛けた。が、ドアが開いて、白衣の男が入って来た。それは田沢だった。注射器と銃を持っている田沢が雷ちゃんに詰め寄ってくる。雷ちゃんは後ずさりしていくが、突然、赤い手袋が雷ちゃんの肩を叩き、振り返った雷ちゃんは睡眠スプレーを掛けられてしまった。
やがて目覚めた雷ちゃんは縛られていた。波江は「私は綾小路波江(あやのこうじ・なみえ)。昔、あんたの姉妹に逮捕された千里眼・綾小路波子の妹よ」と正体を語った。これに雷ちゃんは「あのぅ、逮捕したのは姉妹じゃなく従姉妹です」と正した。波子は刑務所で死亡してしまったため、銭形一族に対して恨みを持っていたのだった。
実は、波江は復讐のために田沢を利用したのだった。田沢の脱獄に手を貸し、警視庁内ではお札を貼って雷ちゃんの行方を知らせていたのだった。そんな波江は、田沢を利用し、相打ちに見せかけて雷ちゃんと共に田沢も殺してしまおうとした。で、高村さんの銃で撃たれた雷ちゃん。波江は勝ち誇った顔をした。
そんな所に高村さんが駆けつけ、波江は田沢に殴られ、雷ちゃんが田沢の銃を奪って撃ち、死に際に雷ちゃんを撃って相打ちになったと証言した。が、その時雷ちゃんの声が響き、一発逆転で、波江に稲妻が落とされて確保された。また、田沢も拘束された。
雷ちゃんは、波江と田沢がグルということを見抜いており、しかも田沢が手にしていた高村さんの銃は空砲と言うことを知っていた。で、芝居を打ったのだった。そして波江に見破った経緯を説明すると、波江は観念するしか無かった。
田沢は「雷ちゃん、また来るからね~」と言って手を振りながら連行されていった。
「007」:「ロシアより愛をこめて」。1963年のシリーズ第2作で、初代ボンドの第2作である。前作では主題歌としてはボーカルの無いもの(「007のテーマ」)であったが、本作から主題歌としてボーカルのある曲が用いられるようになった。製作費も前作から10倍になったことから、「大作」として封切られることになったシリーズとして、音楽的な部分にも魅力が出ることになった作品である。(この作品では、当時いくつかのヒット曲を放っていたマット・モンローでした。)
スペクターの殺し屋・レッド・グラント。(本名はドナルド・グラント)彼は3度の脱獄経験がある殺人犯であった。1960年にダートムーア刑務所を脱獄し、1962年にモロッコにいた所をスペクターに雇われた。で、スペクターの訓練を受けて殺人兵器となった。
スペクターは、ドクター・ノオの仇を取ると言うことも含めて、ボンドを抹殺する計画を立てた。それはソ連の暗号解読機・レクターを餌にしてイギリスに恥をかかせ、ボンドを始末し、その後でレクターをソ連に買い戻させるというものだった。そして、グラントは、その計画でボンドの味方のふりをしてボンドを守り、レクターを手に入れてからボンドを消すという命令を受けていた。
オリエント急行でベネチアに向かうボンドに、イギリス諜報員のナッシュ大尉になりすましてボンドに接触し、ボンドの脱出計画に手を貸す。
が、食堂車で食事をしたとき、魚料理に白ワインを頼んだことからボンドはナッシュに疑問を持った。ボンドと同行しているロマノワ(=ボンドガール)を睡眠薬で眠らせ、ボンドからレクターを奪い、そして決着を付けようとして正体を現した。が、グラントはこの時に高い金銭欲を示し、ボンドはそこに目を付けて、反撃に出た。
別のアタッシュケースにも金貨があると話、それを開けさせようとした。が、そのアタッシュケースはMI-6の鬼才・Qの作った特別の支給品であって、グラントが開けると催涙ガスが噴出し、ボンドとの間で死闘が始まった。
最終的にグラントは、自分の得意の殺し技であるワイヤーを仕込んだ腕時計でボンドに仕留められたのだった。(その後、スペクターの計画は全てボンドに突破され、レクターはイギリスの手に渡った。)
共通点は、凶悪殺人犯(「ケータイ刑事」の田沢、「007」のグラント)は刑務所から脱獄しているということ、主人公(銭形/ボンド)と対決しているということ(「ケータイ刑事」ではさせられたということでしたが...)、そして別の人物(黒幕:「ケータイ刑事」では波江に、「007」ではスペクターにということになる。)に利用されたということである。
一方、相違点としては、「ケータイ刑事」の田沢は別の物語にも登場していて、該当する物語は(一応)再登場ということになっていたが、「007」のグラントは前作には登場せずにこの物語だけの登場であったこと、そして「ケータイ刑事」の田沢は逮捕されて連行されていったが生存しているが、「007」のグラントはボンドにトドメを刺されて死亡している、ということである。
次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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↓一応、こちらも...
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