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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その273) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「墓穴を掘った男」です。(このテーマでは、該当するものが結構たくさんありますが、その中からの一例ということにします。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「・2nd.7話」、「007」からは前回に続いてまたも「ドクター・ノオ」です。

ケータイ刑事」:「・2nd.7話」。「暗闇の殺人者! ~銭形海VS完全犯罪の男」という物語。「ケータイ刑事」のサブタイトルは「…○○事件」という形が殆どである(1クールに1本程度である。)が、「銭形海」ではこれを破るものが他のシリーズよりも多く、この物語はそれを代表する物語である。

連続ひったくり犯が横行する中、新進の純文学作家で現役東大生の藤川紀之(ふじかわ・のりゆき)が殺された。五代さんは、連続ひったくり犯の犯行という線を考えるが、状況からちゃんはそれを否定した。で、交友関係を洗っていき、藤川と同様に現役東大生推理作家の豊島圭太の所を訪れた。犯行時刻のアリバイがないと認める豊島だったが、逆に「都会の一人暮らしで、これ見よがしに(深夜の)アリバイがあったら、逆におかしいと思いますけど」と反論された。

一旦引いたちゃんは、豊島と藤川は同じ現役東大生作家ということでライバル関係にあり、仲が悪かったということを知る。で、再び豊島の所に行って話を聞く。が、豊島は逆にちゃんに挑戦するような口ぶりでちゃんに反論する。そして持論として「散々知恵を絞ってトリックだ、アリバイ工作だ、と余計なことをするからボロが出て名探偵に捕まる訳でしょう、全く馬鹿げている」と語り、「実際の殺人事件で迷宮入りの確率が最も高いパターンは行きずりの衝動殺人」ということを語り、目撃者がいなければ、アリバイもトリックもいらず、完全犯罪となり、自分が人を殺すならその手段を見逃さない」と豪語した。そして、自分を疑うのなら、それ相応の証拠を掴んでからにしてくれ、と言ってちゃんを論破した。

またも引いたちゃんは、五代さんの助言もあって、基本に返って徹底的な聞き込みを行った。しかし収穫はなかった。そんな中、現場の街頭の蛍光灯が切れていたことが分かり、ちゃんは豊島の犯行を照明するある方法を思いついた。

ちゃんは豊島を呼んで、「確認したいことがあります。実は目撃者がいるんです」と切り出した。で、「私たちにつきあって下さい」と言って、豊島をある場所に連れていく。

しかし、豊島が先を歩き、その後ろをちゃんと五代さんが歩いていくというような豊島が先導する形を採った。豊島は歩きながらひったくり犯のことを尋ねるが、ちゃんは「無関係」と語り、犯行当時、街頭の蛍光灯が切れていたことから、ひったくり犯を装うという偽装工作を指摘した。しかし豊島は「犯人に聴いてみたらどうですか」と適当に返していた。

やがて、豊島が先導して、一行は事件現場のガート下に到着した。ちゃんは「藤川さんを殺害したのはあなたですね」と告げたが、豊島は笑いながら「随分話が飛躍するね。俺が犯人だって証拠は見つかったの?」と余裕で返した。すると海ちゃんは「言ったはずですよ。目撃者がいるって」と返した。それを疑う豊島だったが、ちゃんの後ろから三宅巡査が走ってやって来た。そして、三宅巡査が目撃者だと言った。しかし、暗闇だったことから豊島が、「(自分の)顔をはっきり見たのか?」と問うと、三宅巡査は「いいえ、見てはいません」と答えた。すると「それじゃあ目撃証言として使えないんじゃないの」とちゃんを小馬鹿にしたように言ったが、ちゃんは口上を述べた豊島を捕らえた。そして「彼には、私たちの行動を目撃して貰ったんです」と言って説明を始めた。

自分たちはここに来るまで、豊島の先導という形で歩いてきたが、三宅巡査はそれを証明できると語った。で、「現場は見ていない」と証言しておきながら、迷わずに事件現場に辿り着いて矛盾点を指摘したちゃんに、豊島は「くっそう。やられた」と填められたことに気づいた。ちゃんは無意識に豊島を事件現場に来させるという罠を用意して、豊島はそれに自ら填まったのだった。ということで、理論的にちゃんを凹ませていた豊島は、無意識の行動によって自ら墓穴を掘ってしまったのだった。

007」:「ドクター・ノオ」。(日本初公開時のタイトルは「007は殺しの番号」であって、リバイバル公開の時に「ドクター・ノオ」に改められた。)1962年の記念すべきシリーズ第1作である。シリーズの中ではダントツの低予算作品である。(本作のヒットによって、次作からは予算が10倍になった。)が、それでも当初の予算を大幅にオーバーしている。とは言っても、世界的にヒットしたことで、予算をはるかに超える興行成績を収めたのは言うまでもない。

ジャマイカ支局との連絡が途絶えたことで、ボンドが調査のために派遣された。ボンドはジャマイカ支局のストラングウェーズの足取りを調べる。で、ストラングウェーズが失踪した直前にいたキングズ・クラブで一緒だったデント教授の元にもボンドは話を聞きに言った。

デント教授は治金学者であって、地元に研究所を持っていた。しかし、彼はドクター・ノオの組織の一員であって、ドクター・ノオの活動に興味を持ちすぎた人物を抹殺するという役割を秘密裏に担っていた。

ストラングウェーズが失踪したと聞いたデント教授は、「秘書と駆け落ちした」と適当なことをボンドに話してその場はお茶を濁した。しかし、ボンドは、ストラングウェーズが、デント教授の研究所の発行した領収書を発見し、ストラングウェーズが何かの調査をデント教授に依頼したことに気づいた。

デント教授は、ストラングウェーズがクラブ・キーで拾った放射性の岩石の調査を依頼したことが発覚することを恐れ、昼間は来ることを禁じられているクラブ・キーに渡り、ドクター・ノオに恐れながら報告した。それまでにボンドの暗殺に失敗していたこともあって、ドクター・ノオはデント教授を叱責し、毒蜘蛛をデント教授に授けると、ボンドを消すことを改めて命令した。

デント教授はボンドのホテルの部屋に毒蜘蛛を忍ばせて暗殺しようとしたが、失敗する。続いて、ドクター・ノオのスパイである仲間のミス・タロの家にボンドを招いて消そうとしたが、ボンドはミス・タロを逮捕して当局に引き渡してしまった。

デント教授は自らミス・タロの家に向かい、ボンドを消そうとして、ベッドに向かって消音器を付けた銃で撃ったが、それはボンドが作った人型だった。で、ボンドに簡単に射殺されてしまった。

最初のボンドの訪問時に、余計な一言(「駆け落ち」)を口にしたことが墓穴を掘ることになり、ボンドに何かあると気づかせてしまい、更に臆病風を吹かせたことが全て破滅へ進ませていき、雑魚の殺し屋としてボンドに消されてしまった。

共通点は、頭脳派の人物(「ケータイ刑事」では現役東大生の推理作家、「007」では研究所を持っている治金学者)が、何気ない日常の行動の中でボロを出してしまい、それが墓穴を掘ることになったということであるのだが、共に主人公(銭形/ボンド)との会話をしている時にそれを出したということである。(言い換えると、主人公の話術に落ちたということになる。)そして共に人を殺している(デント教授は劇中では人を殺害した所は描かれていないが、ストラングウェーズ殺害の指揮を執っているので殺害したということになる。)という所である。

一方、相違点としては、「ケータイ刑事」では、その人物は主人公(=銭形)に逮捕されただけであるので生存しているが、「007」では主人公(=ボンド)によって殺されているということである。また、「ケータイ刑事」では行動で墓穴を掘ったが、「007」では言葉で墓穴を掘ることになった。

次回も今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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