「DAUZE HEURES D'HORLOGE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1958年のフランス映画「脱獄十二時間」である。日本での劇場公開は1960年1月であった。3人の脱獄犯がある港町に逃げてきて、朝の6時から夕方の6時までの12時間を描いた物語である。
作品データを記しておくと、時間は102分、監督はゲツァ・フォン・ラドヴァニ、脚本はゲツァ・フォン・ラドヴァニ、撮影はアンリ・アルカン、音楽はレオ・フェレである。そして出演は、リノ・ヴァンチュラ、ハンネス・メッセマー、ローラン・テルジェフ、シュジー・プリム、エヴァ・バートック、ゲルト・フレーベ、ジル・ヴィダル、たちである。
地中海岸に面したフランスのある港町に、3人の脱獄囚が逃亡してきた。3人はフールビュー、セルジュ、そして重傷を負っているコペッキーであり、通りがかりの自動車を強奪してこの町にやって来たのだった。3人はかつて、30万フランという大金を強奪していて、それをコペッキーの情婦・バルバラに預けていて、彼女がこの町にいたためだった。港の大時計が6時を打った。バルバラは写真屋・ブランシュと同棲していたため、セルジュはその店に行った。が、ブランシュはその金を横取りしていた。で、セルジュとバルバラは金を探すことにしたが、見つからない。で、かつての愛人だった貿易商・モリスのことを思い出し、モリスを脅して金を手に入れることにした。そのモリスは今夜結婚することになっていて、騒ぎを起こしたく無いこともって、バルバラの要求通り、金を出した。バルバラはその金を持ってセルジュと駆け落ちすることを決めた。一方、フールビューは逃亡するために、カフェに3人のパスポートを受取りに行っていた。
午後2時になった。バルバラの元にブランシュが戻って来た。ブランシュは、コペッキーが金を取り戻しに来たと思い、セルジュをコペッキーと思って射殺してしまい、警察に向かった。その頃、カフェでは、フールビューが憲兵・アルベールに絡まれていた。アルベールは不審な男としてフールビューをマークしていた。そんな中、パスポートを手に入りたフールビューは港に向かうが、アルベールはその後をつけてきた。夕方5時を過ぎていた。既に船に潜り込んでいたコペッキーは重傷だったことから死んでいた。フールビューは憲兵に追われ、3人は3人とも船に乗れない。一方、バルバラは船長に金を渡して船に乗った。そして船は出航した。波止場に駈けつけたブランシュはバルバラの名前を叫んでいて、フールビューも船を見送ることしか出来なかった。その時、夕方6時の鐘が鳴り響いた。
緊張感を維持しながら物語が進んで行き、あっという間に1日が過ぎていく。部分的にはフランス流の洒落を利かせたところがあるが、緊張感は十分保たれている。ただ、3人の脱獄囚の内、1人は裏設定の貯めにというような感じになってしまっただけに、そのキャラをもっと有効に活かせなかったか?と思う所もある。
クライム・ストーリーとしては驚くような結末ではないものの、まとめ方としては十分な作品である。
↓かつてはLDでリリースされていたのだが、DVD化されていません。ということでビデオです。
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