「DER GOLEM, WIE ERIN DIE WELT KAM」 [映画(洋画)]
表題の作品は1920年のドイツ映画「巨人ゴーレム」である。日本での劇場公開は1923年10月(大正時代である。)であった。何度か映画化されている中世のユダヤ伝説の映画化作品であって、日本では「大魔神」の原形になった作品として知られている作品であり、古典としてその名を広く知られている作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は63分、白黒、サイレント映画である。原作はパウル・ヴェゲナー、監督はパウル・ヴェゲナーとカール・ボエゼの2人、脚本はパウル・ヴェゲナーとヘンリック・ガレーンの2人、撮影はカール・フロイントとグイド・セーベルの2人である。そして出演は、パウル・ヴェゲナー、アルベルト・スタインリュック、エルンスト・ドイッチュ、リディア・サルモノワ、ハンス・スツルム、マックス・クロネルト、オットー・ゲビュール、たちである。
中世のプラハ。ユダヤ人はゲトといち区域に押し込められていて、皇帝の圧政に苦しめられていた。そんな中、ユダヤ教の法律学者が泥人形として作られたゴーレムに命を吹き込んだ。ゴーレムは動き出して、人々を解放するように皇帝に求め、その解放を得た。しかし、博士の僕がゴーレムを悪用したことから、ゴーレムは暴れ出し、人々は解放してもらったゴーレムのことを恐れるようになってしまう。しかし、子供の無邪気なイタズラから、ゴーレムは生気を失うことになって、人々は救われたのだった。
物語としては、このジャンルの古典として広く知られているが、作品としては実際に目にすることというのは少ないものと思われる。実際、90年以上昔の作品ということで、見ようとしても難しい所があるのも事実である。
また、タイトルこそ「巨人」となっているが、劇中に登場するゴーレムは人間の等身大という大きさであるため、決して「巨人」というものではない。しかし、90年も昔にこういう作品が製作されているという歴史的な価値が大きいだけに、物語を楽しむというではなく、映画の歴史として、それを学ぶという視点で見るというのもまた面白い所である。
現在では、撮影機材の発展で、素人でも編集ソフトを使えば本作よりも高度な撮影技術を使った作品が製作できるものの、先人の知恵と職人の魂が籠もった手作り作品と接することで、得られる者も色々とありますよ。
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