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アメリカ牛肉協会のふざけた利益優先主義 [国際]

先日、アメリカで2頭目となるBSE感染牛の疑いが出た問題(6/24に、BSEに感染していたことが確認された。(6/25追記))で、とんでもないことを言い出すことになっている。全米肉牛生産者牛肉協会の会長が農務長官と会談し、「一度「シロ」が確定した牛について別の検査方法で再検査することは同省の検査手続きから逸脱している」との懸念を表明したというのである。更に、「今回の問題で牛肉の取引価格が下落し、生産者に損失が発生した」とも訴えている。

この会長は何をふざけたことを言っているのであろうか。こんなことを発言する輩が仕切っているアメリカの牛肉というのは、とうてい信用することはできない。それどころか、消費者ではなく生産者を優先しているなんて、商売をしている者としたら信じられない思考である。

問題の牛は2004年11月に行った簡易検査で感染の疑いがもたれたが、米政府が実施している確認検査方法では「シロ」と判定された。しかし監察官事務所の要請によってこの6月になって、日本などが実施している別の検査方法で調べたら陽性反応が再び出て、現在イギリスの専門機関で確認検査を実施中である。ということで、どのような経緯や理由で監察官事務所が再検査を要請したかが明らかになっていないので、この説明を求めたが、納得のいく回答は得られなかったというので文句を言っているのである。

そもそも、アメリカの検査方法というのは甘いものであり、日本やイギリスの検査方法では陽性となるものでも見逃してしまう可能性がある方法である。だからこそ、他の方法によって再検査を行った、というのは容易に考えられるはずである。(それにより、シロ・クロをはっきり決着させようというのはバカでも分かるはずである。)それを「検査手続きから逸脱している」というのは、BSE感染牛により今後発生する問題よりも、生産者の利益を優先して考えているということで、行き過ぎた商業至上主義的考えでしかない。本当に生産者の利益を考えるのであれば、BSEの可能性があれば、徹底的に調べて、本当に「シロ」なのか、それともBSEに感染しているのかを確認するのが筋である。(そもそも、こういういい加減なことをしていたら、消費者はBSE疑惑を常に抱えることになり、そういう肉は安くても買いませんよ。)

アメリカ産牛肉の輸入を再開しようと政府は企んでいるが、こんな状況で再開を認める訳にはいかない。アメリカ側に抗議するとともに、交渉は再度やり直しとするべきである。また、同時に、アメリカの甘い基準を国際標準にしようとしていることに関しては、今回のようなケースがあることを突きつけて、絶対に認めないように動くべきである。(それが出来ないならば、政府は日本国民を守ろうとしない輩の集団であることを証明することになる。)



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