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東京消防庁の新制度・救急車代行スタート [時事ネタ]

東京消防庁は「救急の日」である9日に、緊急度の低い患者はタクシーが病院まで搬送するという「サポート・キャブ」制度を全国で初めてスタートさせた。これは、119番通報で病院紹介を行い、タクシーを利用してもらうというものである。尚、タクシー代は利用者の負担である。

119番通報でも救急車を要請するものではなく、病院を紹介してほしいというものがあるが、これまではそういうものでも救急車を出動させて病院までの搬送を行っていたが、救急車の出動件数が年々増加しており、緊急性を要しない出動を抑えることを目的としている。(中には、救急車をタクシー代わりに利用しようとする輩もいた。)それによって、消防庁の救急車は、本当に緊急性を要する患者の搬送を優先させようというものである。また、将来的には、救急車の要請である119番通報でも、内容によってはサポート・キャブを利用してもらうことを検討したい考えでいるという。

確かに、救急車が必要ではない場合はある。それを切って、本当に必要な事態に備えるというのは悪いことではない。救急車を利用してもその費用は請求されないが、実際には費用がかかっている。膨れる費用を限られた予算に合わせることは悪いことではない。よって、救急車を要請しないものに対しては問題はないと言える。しかし、そこから先については別問題である。

救急車を要請するような事態になった場合、要請した方が患者の様態を正確に通報することが出来るとはとても考えられない。しかも、その通報を受ける方も医師ではない上、その患者の過去の病歴も全く知らず、(慌てている通報者の)言葉だけで事態を正しく把握することができる訳がない。で、サポート・キャブに回したことから手遅れになるということは十分あり得る。つまり、「内容によって…」というのは、弱者の切り捨てでしかないのである。(それにより患者が亡くなった場合、消防庁が責任を取ってくれるのならいいが、そんなことはあり得ないだろう。)

新制度というのは従来の欠点を修正するために、改善されたものとして導入されるものである。が、何でもそうだが、やり過ぎというのは毒にしかならない。何にでも「適度」というものがあるが、制度についてもこれは当てはまる。これは次のステップに進めてはならない制度である。



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